最終更新:2026年10月

皮膚科クリニックの集客では、「近隣に医院が増えて来院数が伸び悩んでいる」「集客に取り組みたいが、何から手を付ければよいかわからない」といった課題が挙げられることがあります。
この記事では、皮膚科で活用しやすい集客方法をオンライン・オフライン各5選に分けて紹介し、費用の目安を一覧表で整理します。あわせて、予算別・患者層別の組み合わせ例と、医療広告ガイドラインなど広告ルールの注意点も解説します。これから集客に力を入れていきたい皮膚科医院はぜひ参考にしてください。
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皮膚科の集客で最初に押さえたいこと

皮膚科は、保険診療か自費診療かで、病院を探す段階の行動から異なるケースがあります。どちらを重点とするかによって集客で力を入れる分野も異なるため、まずはその違いを説明します。
保険診療と自費診療で患者の集め方が変わる
皮膚科の場合、保険診療と自費診療では患者が受診先を探すときの行動から異なります。
保険診療は、湿疹やかぶれなどの症状への対応が目的のため、なにか症状が出てから「地域名+皮膚科」のような検索や、地図アプリで通える範囲の病院を調べ、診療時間を確認してから受診する流れが考えられます。そのため、保険診療が中心の医院では、検索されたときに診療時間や場所を確認できる状態をまず整える必要があります。
一方、シミ治療や脱毛などの美容施術を中心とした自費診療は、症状ではなく目的が先にあるため、通いやすさなどの条件ではなく、施術内容や費用を複数の医院で比較しながら検討されることがあります。自費診療にも力を入れる場合は、施術の内容・費用・リスクの説明を掲載できる媒体、たとえばホームページやSNSなどの準備が検討の対象になります。
季節によって患者の悩みの傾向が変わる
皮膚の悩みは、季節と結び付いて現れることがあります。花粉の時期の肌荒れ、夏の日焼けやあせも、冬の乾燥によるかゆみなど、受診のきっかけになる悩みは時期によって変わります。
そのため、皮膚科の情報発信は、悩みが増える時期に合わせて内容を切り替える方法があります。発信の準備には時間がかかるため、チラシの配布時期や内容、後述するGoogleビジネスプロフィール・SNSの投稿内容は、前もって計画しておく必要があります。
皮膚科で使えるオンライン集客方法5選と費用目安
まずはオンラインの集客方法5選です。費用目安や特徴を一覧で整理したうえで、それぞれの方法を解説します。
なお、ここから紹介する方法は医療機関の広告として規制の対象になるものが多いため、掲載内容のルールは記事後半の「皮膚科の集客で守る医療広告ルール」にまとめています。
| 集客方法 | 費用目安 | 自院対応 or 外注 |
|---|---|---|
| ポータルサイト掲載 | 無料から月数万円程度 | 自院で登録・更新できる |
| Googleビジネスプロフィール | 無料 | 自院で登録・更新できる |
| 自社ホームページ | 制作費数十万円から百万円以上+運用費月数万円程度 | 制作は外注が中心、更新は自院で行う場合と外注に頼む場合がある |
| SNS運用 | 無料(運用の手間が中心) | 自院で継続して発信する |
| Web広告 | クリック課金・表示回数(インプレッション)課金など。月数万円程度から | 自院での運用も可能だが、運用の外注も選択肢になる |
※2026年8月NTTタウンページ調べ。費用は各媒体の公表料金・一般的な相場をもとにした税込みの目安です。実際の料金や掲載条件は媒体・地域・時期によって異なるため、各媒体の最新情報でご確認ください。始めやすさは、準備の手間と専門知識の要否をもとにした目安です。
ポータルサイト掲載
ポータルサイトとは、地域や業種ごとに医院の情報をまとめた検索サイトです。「地域名+皮膚科」で調べる人が医院を一覧で比較する際の情報源として、基本情報を掲載できます。
また、ポータルサイトは地域や診療科目から探す人に向けて情報が整理されているため、複数の医院を見比べている段階の人に自院の情報を届けられます。ホームページを持っていない医院でも診療時間や住所などの掲載先を確保できる点や、サイト側の知名度を通じて見つけてもらえる可能性がある点も、ポータルサイトならではの利点です。
費用は、無料で基本情報を掲載できるサイトから月額費用がかかる有料プランまで幅があります。まず無料の範囲で掲載し、必要に応じて有料プランを検討する進め方ができます。
掲載時の確認ポイント
- 無料と有料で掲載できる情報の範囲がどう変わるか
- 診療時間や休診日の変更をすぐ反映できる更新体制があるか
- 電話番号や予約方法など、掲載する基本情報を最新の内容に整えてあるか
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Googleビジネスプロフィール(MEO)
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップに医院の情報を無料で掲載できるサービスです。たとえば、「皮膚科 近く」「〇〇市 皮膚科」といった検索では、検索結果画面に地図情報と医院情報が表示されるため、このような検索を想定してあらかじめ自院の基本情報を登録しておきましょう。
Googleは、地図とあわせて表示される検索結果(ローカル検索結果)の順位を決める主な要素として「関連性・距離・知名度」の3つを挙げています。このうち関連性は、登録された情報が検索の内容とどれだけ合っているかという観点のため、診療内容や診療時間などの情報を充実させることが重要と言えます。
自院で登録や更新を行う場合は無料ですが、外部の事業者に委託する場合は別途費用がかかるため、依頼範囲は検討が必要です。
Googleビジネスプロフィール登録のポイント
- カテゴリ(皮膚科・美容皮膚科など)と診療時間(昼休みの分割を含む)を正確に登録する
- 外観・受付・待合室など、来院前に様子がわかる写真を掲載する
- 季節の皮膚の悩みに合わせた情報を定期的に投稿する
自社ホームページ(SEO)
自社ホームページは、診療内容を自院で決めた構成やレイアウトで詳しく掲載できる方法です。掲載枠の制約がないため、診療方針や医師の紹介、治療の内容・費用・リスクの説明といった、受診を決める前に確認したい情報までまとめて掲載できます。ほかの媒体で医院を知った人が受診前に詳しく調べる場所にもなります。
また、検索エンジンが内容を理解しやすいようにページを整える取り組みは「SEO(検索エンジン最適化)」と呼ばれます。
ホームページの制作費用は、制作時の初期費用と公開後の保守管理費に分かれます。金額はページ数・写真撮影・Web予約システムの組み込みの有無で変わるため、見積もりの際は含まれる作業範囲の確認が必要です。また、公開後の検索対策(SEO)も外部の事業者に委託する場合は、別途費用がかかります。
ホームページ制作を依頼する前に決めておくこと
- 掲載したい項目と、その優先順位を整理しておく
- 公開後の更新を自院で行うか、制作会社に依頼するかを決めておく
- Web予約システムを組み込むかどうかを決めておく
SNS運用
SNS(InstagramやXなど)での発信は、アカウント開設に費用がかからず、無料で始められる方法の一つです。投稿の内容は、季節の皮膚の悩みに関する情報、院内の様子、休診・診療時間変更のお知らせなどが想定されます。
費用がかからない一方、投稿を見てもらえるようになるまでには時間がかかりやすく、すぐに来院につながる方法ではありません。短期の集客手段としてではなく、続けられる体制づくりを前提に取り組む方法です。
SNS運用を続けるための工夫
- 投稿の頻度と担当者を先に決めて、無理のない量から始める
- 患者やカルテなどが写り込まないよう、院内撮影のルールを決める
- 休診や診療時間の変更など、投稿する内容をあらかじめ決めておく
Web広告
Web広告は、検索結果やSNSのタイムラインなどに費用を払って広告を表示する方法で、さまざまな種類があります。
▼主なWeb広告の種類
| 種類 | 表示される場所 |
|---|---|
| リスティング広告 (検索連動型広告) | 検索結果の上部や下部 |
| ディスプレイ広告 | Webサイトやアプリの広告枠 |
| SNS広告 | SNSのタイムラインなど |
| 動画広告 | 動画サイトの再生前や再生中 |
| Googleマップ広告 (ローカル検索広告) | Googleマップの検索結果や地図上のピン |
課金の方式は広告の種類によって異なり、クリック・表示回数・動画の視聴などに応じて費用が発生するケースが一般的と言えます。いずれも広告主が予算の上限を設定できます。
また、医療機関の広告文は医療広告ガイドラインの規制対象のため、代理店に依頼する場合も内容の確認は自院で行いましょう。
Web広告の出稿前の確認ポイント
- 配信地域を診療圏に絞る設定になっているか
- 広告のリンク先(診療案内ページなど)を用意できているか
- 予算の上限と、配信を止める判断を自院で行える体制か
皮膚科で使えるオフライン集客方法5選と費用目安
続いてオフラインの集客方法5選です。
| 集客方法 | 費用目安 | 自院対応 or 外注 |
|---|---|---|
| チラシ・ポスティング | 配布料1枚数円台から十数円程度(印刷費は別) | 配布するエリアと時期を自院で決められる |
| 看板・屋外広告 | 掲載料月数万円台から数十万円程度+製作・設置費 | 契約期間中は同じ場所に掲出される |
| 電車・バスなどの交通広告 | 駅・車内のポスターで1週間で数万円程度(都市部の例) | 路線や駅の利用者に向けて掲出する |
| フリーペーパー・地域情報紙 | 小枠で数万円程度から | 媒体社へ申し込んで紙面に掲載する |
| 他の診療科や薬局からの紹介 | 特別な費用はかからない | 日常のやり取りを通じて取り組む |
※2026年8月NTTタウンページ調べ。費用は各媒体の公表料金・一般的な相場をもとにした税込みの目安です。実際の料金や掲載条件は媒体・地域・時期によって異なるため、各媒体の最新情報でご確認ください。
チラシ・ポスティング
チラシ・ポスティングは、診療圏の住宅に医院の案内を直接配布する方法です。インターネットで皮膚科を探さない人にも、紙で情報を届ける手段として活用できます。
費用は印刷費と配布料に分かれ、部数・サイズ・配布方法(新聞折込か戸別配布か)で変わります。配布エリアを徒歩や自転車で通える範囲に絞ると、部数を抑えながら診療圏に集中して配布できます。
チラシ・ポスティング作成時の確認ポイント
- 電話番号・予約方法・診療時間・地図など受診の判断に使う情報に絞る
- 季節の悩みが増えるタイミングなど、適切な配布時期を検討する
- 配布するエリアを診療圏に絞り、部数と時期などを記録しておく
看板・屋外広告
看板・屋外広告は、医院の場所と診療科目を継続して地域に示せる方法です。駅前や幹線道路沿いなど、診療圏の人が日常的に通る場所に掲載しましょう。
費用は掲載料に加えて、看板の製作費・設置費がかかります。金額は場所・サイズ・契約期間で大きく変わるため、複数の候補地で見積もりを取って比較しましょう。
看板・屋外広告を契約する前の確認ポイント
- 設置場所の自治体の屋外広告物条例(許可の要否・大きさなどの規格)
- 契約期間と撤去・原状回復にかかる費用
- 掲出する面の向きやその場所を通る人の動線
電車・バスなどの交通広告
交通広告は、電車やバスの車内・駅構内にポスターなどを掲載する方法です。通勤・通学で同じ路線を使う人に向けて、皮膚科の情報を掲載できます。
1カ所に固定して掲出する看板・屋外広告と異なり、交通広告は路線や駅を選び、期間を区切って掲載することができます。医院の場所を継続して示したい場合は看板・屋外広告、通勤や通学で沿線を利用する人に一定期間まとめて知らせたい場合は交通広告、といった使い分けが考えられます。
費用は路線・駅・枠の大きさ・掲載期間で変わり、地方の路線では都市部より低額の枠もあります。申込から掲載まで時間がかかる場合があるため、掲載したい時期から逆算して準備します。
交通広告を申し込む前の確認ポイント
- 診療圏と、その路線を使う人の生活範囲が重なっているか
- 掲載時期・期間と申込期限(空き枠の状況は媒体社に確認)
- 中吊り・まど上・駅ばりなど掲出場所の種類と、対象となる駅や路線の利用者数
フリーペーパー・地域情報紙
フリーペーパー・地域情報紙は、地域で無料配布される紙面に広告を載せる方法です。診療圏の読者に向けて、地域の生活情報とあわせて医院の情報を掲載できます。チラシは配布エリアと時期を自院で決めて単独で届けるのに対し、フリーペーパーは地域のまとまった情報として届くため、皮膚科を探していない人の目にも触れる機会があります。
費用は枠の大きさと掲載位置で変わり、媒体・エリアごとの個別見積もりが基本です。掲載できる枠の大きさや申込期限は媒体ごとに異なります。
フリーペーパーを申し込む前の確認ポイント
- 配布部数・配布方法・配布エリア
- 発行サイクルと申込期限(掲載号の時期を季節の悩みに合わせられるか)
- 読者層や記事の内容が自院の患者層と合うか
他の診療科や薬局からの紹介
他の診療科や薬局からの紹介は、特別な費用をかけずに取り組める方法です。特別なにかをアプローチするわけではありませんが、まずは近隣の医療機関や薬局に、自院で対応できる症状を知っておいてもらうことが不可欠です。
進め方の例
- 開業時や診療内容を変更したときに、近隣の医療機関・薬局へあいさつに伺う
- 対応できる症状・診療時間・連絡方法をまとめた診療案内を渡しておく
- 紹介を受けた患者の経過を、紹介元の医療機関へ報告する
ただし、患者を紹介する対価として金品を提供することは、保険医療機関及び保険医療養担当規則で禁止されています。
【予算別】皮膚科の集客施策の組み合わせ例
ここからは、前章までの方法を月々の予算に合わせて組み合わせる例を紹介します。
| 予算帯 (月額・税込みの目安) | 組み合わせの例 | 目的 |
|---|---|---|
| 無料から5万円 | Googleビジネスプロフィール+ポータルサイトの無料掲載 | 検索されたときの基本情報を整える |
| 5万円から10万円 | ホームページの内容拡充+SNS運用 | 詳しい情報の掲載先の充実と日常の接点を増やす |
| 10万円以上 | Web広告+簡単な検索対策(SEO) | 即効性が高い広告と、蓄積するSEOを組み合わせる |
※2026年8月NTTタウンページ調べ。予算帯は月額・税込みの目安です。各方法の費用の内訳は前章までの一覧表をご確認ください。組み合わせは一例で、診療内容や地域の状況に応じて調整が必要です。
無料から5万円|Googleマップとポータルサイトの無料掲載
無料から月5万円までの予算の場合は、費用を抑えて基本情報の整備から着手する方法があります。特にGoogleビジネスプロフィールは無料で登録できるため、基本情報を登録しつつ、無料から掲載可能なポータルサイトにも同様の情報を登録しましょう。
この2つを合わせると、地図から探したい人と、同じ条件で皮膚科を比較したい人の両方に向けて、自院の情報を発信できます。
| Googleビジネスプロフィール | ポータルサイト掲載 |
|---|---|
| 地図で近くの皮膚科を探したい人との接点 | 同じ条件で皮膚科を比較したい人との接点 |
また、予算に余裕がある場合は、診療圏へのチラシ配布を少部数から加えることで、インターネットを使用しない患者にも情報を届けられるでしょう。
5万円から10万円|コンテンツ拡充とSNS運用
月5万円から10万円の予算の場合、見込み患者に対してアピールする情報を増やせる可能性があります。
たとえばホームページを用意して診療案内のページを整えることで、患者が受診前に詳しい情報を調べられるようになります。もしすでにホームページがある場合は、この予算を診療案内の追加やページ構成の見直しなどの費用に充て、受診のための判断材料を充実させることもできるでしょう。
| ホームページ | SNS運用 |
|---|---|
| 詳しい情報を確認する媒体 | 日常的に目に触れる接点 |
また、ホームページとSNSは上記のような役割分担になります。SNSでは季節の皮膚の悩みに関する情報や休診のお知らせを投稿し、プロフィール欄から遷移したホームページ側では、対応できる症状の説明や予約方法の案内など、SNSでは伝えきれない詳しい情報をページとして整えておきます。
SNSは自院で運用し、ホームページの制作・改修は外部の事業者に依頼するなど、媒体ごとに担当を分ける方法もあります。
10万円以上|Web広告と簡単な検索対策(SEO)
月10万円以上の予算がある場合は、Web広告と簡単な検索対策(SEO)を組み合わせられる可能性があります。広告の運用もSEOも専門知識が必要なため、この予算帯では外部の事業者への依頼を前提に費用を見積もります。
| Web広告 | SEO対策 |
|---|---|
| 受診先を探している人の検索画面に表示する 検索キーワード例)「地域名+皮膚科」 | 詳しい症状・治療法・費用を知りたい人の検索画面に表示する 検索キーワード例)「シミ取り 方法」「アトピー 治療」 |
Web広告は、「地域名+皮膚科」のように受診先を探している人の検索画面に表示するもので、配信する地域を診療圏に絞って出稿が可能です。一方SEOでは、「シミ取り」「アトピー」のようにユーザーが調べる言葉を想定してページを作成して、それぞれに症状の説明・治療の内容・費用を載せることで、検索された際に自院を見つけてもらうという施策です。これらのページはWeb広告のリンク先としても活用できます。
広告は出稿している間だけ表示される一方、SEOで整えたページは公開している限りは検索流入の受け皿となります。広告で集客をしながら、並行して自院サイトのコンテンツを用意して充実させていきましょう。
【患者層別】皮膚科の集客施策の組み合わせ例

ここでは3種類の患者層について、集客方法の組み合わせ例と役割分担を紹介します。
小児・ファミリー層|フリーペーパー×Googleビジネスプロフィール
小児・ファミリー層では、保護者が医院を知る場面と受診前に診療時間を確認する場面が分かれるため、紙とWebの両方に情報を置く組み合わせが考えられます。
組み合わせ例
- フリーペーパー・地域情報紙への掲載
- Googleビジネスプロフィールの登録
この組み合わせは、フリーペーパーで地域の生活情報とあわせて医院の存在を知らせ、Googleビジネスプロフィールで診療時間や休診日を確認できる状態にします。どちらにも、駐車場やキッズスペースの有無、ベビーカーのまま入れるかなど、子ども連れの受診で確認される情報を載せておきます。
美容・自費目的の層|ポータルサイト×SNS運用
美容施術などの自費診療では、医院を知ってから受診を決めるまでに時間がかかる場合があるため、知る場面と検討する場面の両方に接点を置く組み合わせが考えられます。
組み合わせ例
- ポータルサイトへの掲載
- SNSでの発信
この組み合わせは、施術内容や費用を比較検討する段階の人にポータルサイトで診療内容や基本情報を示し、SNSで施術の内容や院内の雰囲気を日常的に伝えることができます。
SNSで医院を知った人が受診を検討する段階に進んだときに、ポータルサイトの掲載情報で詳しい診療内容や所在地を確認できるため、ユーザーの検討度合いに合わせた情報提供がしやすいと言えます。
高齢者層|他診療科・薬局からの紹介×看板・屋外広告
高齢の患者の受診では、かかりつけの医療機関や薬局からの紹介に加えて、本人や家族が日常の生活圏で目にした情報がきっかけになる場合もあるため、その両方に接点を置く組み合わせが考えられます。
組み合わせ例
- 近隣の医療機関・薬局への診療案内の配布
- 看板・屋外広告の掲出
この組み合わせは、診療案内の配布で近隣の医療機関や薬局に自院の診療内容を知っておいてもらい、看板・屋外広告で本人や家族の生活動線上に医院名・診療科目・場所を示します。
診療案内には診療時間・電話番号・対応できる症状を、看板には医院名・診療科目・場所のように、それぞれの媒体で確認される情報を載せておきましょう。
皮膚科の集客で押さえておきたい注意点

皮膚科の集客において、どの媒体を使う場合にも共通する注意点を3つ整理します。
診療内容や特徴をわかりやすく伝える
どの媒体に掲載する場合も、保険診療と自費診療のどちらに関する内容かを区別して記載することが基本です。両方の案内が区別なく混ざっていると、どちらを求める患者にとっても求める情報を探しにくくなります。
また、対応できる症状や得意分野は、「乳幼児の湿疹」「シミ治療」のように具体的に書くと、読んだ人が自分の悩みに対応してもらえるかを判断できます。もし専門用語を使用しなければならない場合は、短い補足を添えて誰でもわかるように工夫しましょう。
集客したい患者層を整理する
すべての層に同じ内容を発信するのではなく、集客に力を入れたい患者層を決めてから媒体と内容を選ぶと、各媒体に載せる内容を一貫した方針で用意できます。なぜなら、患者層別の組み合わせの章で紹介したように、ユーザーによって情報との接点が異なるためです。
注力したい患者像については、過去の自院の受診データから考えましょう。時間帯ごとの予約状況、受診理由の内訳、患者の年齢層などを月ごとに振り返ると、どの層への発信を増やすかを判断する材料になります。
患者が使いやすいように導線を整える
情報を見た人が迷わず予約・来院できるかどうかも、確認しておきたい点の1つです。ここでの導線とは、自院を知ってから問い合わせ・受診に至るまでの流れを指します。
チラシ・看板・検索結果のどこから知った場合でも、診療時間・電話番号・場所・予約方法にたどり着けるかを確認します。Webの場合はスマートフォンでの閲覧を前提に、電話番号をタップして発信できるかも確認してください。
また、媒体ごとに診療時間などの情報が食い違わないよう、更新の担当者や頻度を決めておくことも重要です。
皮膚科の集客で再来院に向けた情報提供・案内方法

新しい患者を集める方法と並行して、一度来院した患者との接点を保つ取り組みも整理しておきましょう。
※この章での自費メニューとは、シミ治療やピーリングなどの美容施術を中心とした自費診療のメニューを想定しています。
自費診療メニューの案内を院内に用意する
保険診療で来院した患者でも、自費診療に興味を持っているケースもあります。そのため、選択肢を知る案内を院内に用意しておくと、なにかの機会で手に取ってもらえる可能性も考えられます。たとえばニキビ治療で通院している患者が、ニキビ跡のケア(自費)も扱っていると知らなければ、検討の機会自体が生まれません。
ただし、診察の場で案内すると、患者が断りにくいと感じる場合もあります。そのため、待合室へのリーフレット設置や院内掲示をし、診察で関連する相談が出た場合は「ご希望があれば詳しくご説明します」など伝えるにとどめるなど、患者が自分のペースで検討できるようにしましょう。
扱うメニューを増やした際に内容を案内する
扱う診療メニューを増やしたときは、開始時期・内容・費用(自費の場合)を告知しましょう。告知先としては、ホームページのお知らせ欄、Googleビジネスプロフィールの投稿、院内掲示などがあります。過去に来院した患者が「この医院でも受けられるようになった」と知る接点を、院内と院外の両方に用意しましょう。
告知の時期は、たとえば乾燥への対応メニューであれば、悩みが増える前の時期から院内掲示を始めるなど、季節の悩みと合わせて計画するとよいでしょう。
会計時に口コミ投稿を促進する
口コミは、受診先を調べる人が確認することのある情報のため、投稿の案内を院内の流れに組み込んでおく取り組みが挙げられます。たとえば会計時に、口コミの投稿ページにつながるQRコードを印刷したカードを渡す方法があります。
ただし、割引や特典と引き換えに投稿を依頼することは医療広告ガイドライン違反になります。ガイドラインでは、医療機関が費用の負担などの便宜を図って口コミの掲載を依頼した場合、その口コミは医院の広告として扱われます。治療の内容や効果に関する体験談の広告は禁止されているため、依頼の仕方によっては規制に触れることになります。
また、投稿された口コミを自院の広告に転載して使うことは、体験談の広告として禁止されています(詳細は次章)。投稿はあくまで患者の任意とし、内容を指定しない形で案内しましょう。
※参考:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」
※口コミ・患者の声の掲載にあたっては、医療広告ガイドラインおよび景品表示法を遵守する必要があります。また、虚偽の口コミや、金銭・特典を条件とした口コミ依頼はステルスマーケティングに該当する可能性があるため、注意が必要です。
皮膚科の集客で守る医療広告ルール

医療機関の広告は医療法にもとづく規制の対象で、詳細は厚生労働省の「医療広告ガイドライン」にまとめられています。チラシ・看板・Web広告など、この記事で紹介した方法の多くが対象になるため、掲載前にルールの確認が必要です。
※以下は厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」の内容、または厚生労働省「医薬品等の広告規制について」の内容を参考に作成しています。
医療広告ガイドラインで禁止されている表現
医療法第6条の5および医療法施行規則第1条の9により、医療機関の広告では次のような内容が禁止されています。
禁止されている広告の例
- 虚偽広告(「絶対に治る」など事実に反する内容)
- 比較優良広告(「日本一」「最高」などの最上級表現を含む、他院より優れていると示す内容)
- 誇大広告(事実を誇張して誤認させる内容)
- 治療の内容や効果に関する患者の体験談
- 患者を誤認させるおそれのある治療前後の写真など
- 公序良俗に反する内容
「地域で一番の症例数」「最先端の治療」「国内最高水準の治療」のような表現は、根拠の有無にかかわらず比較優良広告などに該当するおそれがあります。また、費用や割引のみを過度に強調した広告やキャンペーンの宣伝は、品位を損ねる広告として問題になる可能性があります。
ビフォーアフター写真や体験談を載せるときの条件
医療機関の広告では、広告できる事項が医療法で以下のように限定されています。
広告可能事項の例
- 診療科目(皮膚科・美容皮膚科など)
- 医院の名称・所在地・電話番号
- 管理者(院長)の氏名
- 診療日・診療時間、予約による診療の有無
ただし、ホームページなど患者が自ら求めて閲覧するものについては、次の要件を満たす場合に限り、広告できる事項以外も掲載できます(広告可能事項の限定解除)。
限定解除の4要件
- 患者が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどであること
- 問い合わせ先の記載などにより、患者が容易に照会できること
- 自由診療の治療内容・費用などの情報を提供すること(自由診療の場合)
- 自由診療の主なリスク・副作用などの情報を提供すること(自由診療の場合)
治療前後の写真は、治療の効果に関する内容にあたるため、限定解除の要件を満たしたうえで掲載するものとされています。あわせて、通常必要とされる治療内容・費用・主なリスクや副作用などの詳細な説明を付す必要があります。これらの説明がない写真だけを掲載することは、患者を誤認させるおそれがある広告として禁止されています。
また、広告媒体ごとにも独自の規定があります。治療前後の写真は媒体によって掲載できる条件が定められている場合があるため、出稿前に医療広告ガイドラインとあわせて各媒体の広告規定も確認します。
医薬品医療機器等法(薬機法)で気をつける表現
医薬品や医療機器に関する発信には、医薬品医療機器等法(薬機法)の広告規制も関わります。
薬機法で広告が禁止されている内容
| 第66条第1項 | 医薬品・医療機器などの名称や、効能・効果、性能などに関する虚偽・誇大広告が禁止 |
|---|---|
| 第68条 | 承認前の医薬品・医療機器について、その名称や効能・効果などの広告が禁止 |
皮膚科では、治療に用いる医薬品や医療機器を紹介する場面があります。ただし、未承認の医薬品・医療機器や、その効能効果を誇張する表現には注意が必要です。そのため掲載する際は、医療広告ガイドラインや薬機法に沿って内容を確認しましょう。
まとめ
皮膚科の集客は、保険診療と自費診療で患者の探し方が異なることを前提に、オンライン・オフラインの方法を予算と患者層に合わせて組み合わせることが基本になります。
そして、どの方法を選ぶ場合も、医療広告ガイドラインなどのルールの確認が前提になります。ガイドラインを遵守して、適切な情報提供をおこないながら来院機会の拡大を図りましょう。
※本記事に記載されている会社名、製品名、サービス名はそれぞれ各社の商標および登録商標です。
※本記事は医療広告ガイドラインの概要を解説するものであり、法的判断を行うものではありません。広告掲載前には厚生労働省の最新の医療広告ガイドラインおよび関係法令をご確認ください。
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