​​​​​​内科クリニックの集客対策を課題別に解説​​​​|​​​​​​​​施策の組み合わせ例も紹介​

最終更新:2026年10月

​​​​​​内科クリニックの集客対策を課題別に解説​​​​|​​​​​​​​施策の組み合わせ例も紹介​

内科クリニックの集客では、患者数を全体の数字だけで判断するのではなく、初診・再診・時期に応じて受診する患者のうち、どの層に課題があるかを特定してから施策を選ぶ必要があります。課題のある患者層によって、打つべき集客施策も、効果が出たかを確認する時期も変わります。

この記事では、集客を始める前に把握しておきたい項目を整理したうえで、オンライン・オフライン施策の費用目安や反応が得られるまでの目安期間等を比較します。さらに、初診・再診・季節ごとの施策の組み合わせ方と、医療広告等ガイドラインに沿って情報を掲載する際の確認事項も解説します。これから本格的に集客に力を入れていきたい内科クリニックの方は、ぜひ参考にしてください。

※この記事では「集客」を初診と再診の両方を含め、患者に受診してもらうための取り組み全般を指す言葉として使用します。「集患」との使い分けについては、記事後半で解説しています。

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内科の集客を始める前に把握しておきたい3つのこと

内科の集客を始める前に把握しておきたい3つのこと

まずは、内科クリニックの集客を始める前に把握しておきたい3つのことについて解説します。

外来患者数・新患・再診の内訳

漠然と「最近患者数が減ってきている」と感じて何か手を打ちたいと思っている方は、まずはクリニックでこれまで診察を受けた方の内訳を把握することから始めましょう。新規の患者が増えていないのか、再診の患者が増えていないのかがわかれば、適した集客方法を絞りこむことも可能です。
自院の状況を確認するときは、次の項目を抽出します。

​​確認項目​​​確認する内容​
新患数月ごとの新患数を12ヶ月から24ヶ月分程度確認
再診数月ごとの再診数を12ヶ月から24ヶ月分程度確認
年齢層年齢層別に患者数を分けて確認
2回目の受診割合初診から2回目の受診に至った割合を確認

たとえば、新患数は変化なしで2回目の受診割合が低い場合は再診につなげる導線に、新患数自体が減少している場合は新規の集客に課題があると考えられます。新患数・再診数・年齢層・2回目の受診割合を分けて確認することで、どの患者層に向けた施策が必要かを判断できます。

患者が内科クリニックを知った経路と選んだ理由

新患数が減っている場合に、そもそも自院が知られていないのか、知られてはいるが他院を選ばれているのかで、打つべき施策は変わります。これらの原因を切り分けるために必要なのが、患者が自院を知った経路と、受診先として選んだ理由です。
この2つは別の情報です。1つにまとめて把握すると、知るきっかけになった集客手法と、受診の決め手を取り違えることになる可能性もあります。

​​自院を知ったきっかけ​確認方法​​得られること​
インターネット・初診時の問診票の回答
・自院サイトのアクセス解析
・Googleビジネスプロフィールのインサイト
検索経由の新患数と、来院につながっている検索キーワードやページ
紹介・初診時の問診票の紹介者欄
・他院からの診療情報提供書
紹介元になっている医療機関や既存患者と、連携が機能している範囲
看板・初診時の問診票の回答来院につながっている設置場所と掲出を継続すべき場所
SNS・初診時の問診票の回答
・各SNSのインサイト(リーチ数、プロフィールへのアクセス数)
投稿の閲覧が来院につながっているかどうか

口コミは受診後の評価を含むため、受診先を選んだ理由を直接示すものではありません。問診票の回答とは分けて記録し、別の情報として扱います。

診療圏の需要と競合状況

厚生労働省「令和6(2024)年医療施設(動態)調査」によると、全国の一般診療所数は105,207施設で、前年より313施設増加しています。ただし内訳をみると、医療法人による開設が994施設増加している一方で、個人による開設は489施設減少しています。このように、自院の診療圏における内科クリニックの需要と競合状況は、全国の診療所数だけでは判断できません。
そのため、通院が想定される範囲を設定し、周辺の内科クリニックと地域の人口構成を分けて確認することが必要です。 自院の診療圏では、次の3項目を確認しましょう。

確認項目確認する内容
通院できる範囲徒歩・自転車・車・公共交通のそれぞれで通院できる範囲を確認
周辺の内科クリニック施設数に加え、診療時間、休診日、対応している診療内容を確認
地域の人口構成高齢者や子育て世帯など、年齢・世帯構成を確認

3項目を確認したら「競合が多いから新患が増えない」「ターゲットとなる年齢層の割合が高いから需要がある」といった因果関係を先に決めつけず、それぞれを自院の診療体制と照らし合わせましょう。たとえば、周辺の内科クリニックと平日の日中の診療時間が重なっている場合は、土曜日や平日夜間を含めて診療時間の違いを整理するなど、自院で現実的に改善できる点を洗い出してみてください。

内科の集客に使えるオンライン施策5選と費用目安

内科クリニックで活用しやすい主要なオンライン施策について、費用目安や効果が出るまでの大まかな期間、施策ごとの目的を紹介します。

施策​​費用の目安
(課金単位)​
​​反応を確認する時期の目安​目的
ホームページ数十万円~
※制作会社への見積もりが必要
3ヶ月~1年受診を検討する人が確認する情報を掲載する
Googleビジネスプロフィール無料数週間~3ヶ月地図検索に施設情報を表示できる状態にする
ポータルサイト掲載無料から。
月額550円(税込)~
※iタウンページの場合
数週間~3ヶ月来院前の比較検討に使われる情報を掲載する
SNS運用投稿:無料
広告を出す場合:数万円~
※予算を設定する
3ヶ月~1年診療時間の変更や季節の案内を日常的に届ける
リスティング広告
(ローカル検索広告)
月数万円から
※上限クリック単価と1日の平均予算を設定する
出稿当日~数日「地域名+内科」で調べている人に表示する

※NTTタウンページ調べ2026年8月。費用は各媒体が公表している料金と、制作会社・広告会社が公開している料金例をもとにした税込みの目安です。実際の料金・税区分・掲載条件は各媒体の最新情報でご確認ください。反応を確認する時期は目安であり、制作内容や契約条件によって異なります。成果や期間を示すものではありません。

ホームページで検索時に情報を確認できるよう整える

ホームページは、受診を判断する材料を一次情報としてまとめて提示できる点が特徴です。対応している症状や検査の範囲、受付から診察までの流れといった細かい条件を自由に掲載できます。さらに、ポータルサイトや口コミで自院を知った患者も、受診を決める前にホームページを確認する場合があります。より詳しい情報を知りたいというニーズもあるため、詳細な情報をわかりやすく伝える工夫が求められます。
これらを踏まえて内科クリニックのホームページに記載する項目は、次のとおりです。

​​掲載項目​​​掲載する内容​
診療時間・休診日曜日ごとの午前・午後の診療時間、受付終了時刻、休診日を分けて記載
診療内容標榜する診療科と、実際に対応している症状や検査を記載
所在地住所、交通手段、駐車場の有無や台数を記載
初診時の案内受診時に必要なもの、受付から診察までの流れ、所要時間の目安を記載
臨時の案内臨時休診や年末年始の診療予定を、トップページで確認できる位置に掲載

診療内容は、実際に対応している症状や検査の範囲を具体的に記載しましょう。初診時の案内では、受診時に必要なものと受付の流れを具体的に示します。所要時間を掲載する場合は、診療状況によって変動することもあわせて記載しましょう。

Googleビジネスプロフィールで地図検索に対応する

Googleビジネスプロフィールは、Google検索とGoogleマップに表示される施設情報を管理する無料のサービスです。登録することで、「近くの内科」「地域名+内科」などの検索結果に、クリニックの所在地や診療時間、電話番号、写真などが表示される場合があります。検索結果から自院を選んで来院するケースも考えられるため、臨時休診や年末年始の休診日も変更時には更新して、情報を最新化することが重要です。

▼内科クリニックで設定する主な項目

項目​​設定する内容​
基本情報施設名、住所、電話番号、診療時間、休診日
写真建物の外観や入口、院内などの写真
最新情報臨時休診や年末年始の診療予定など
口コミ診療内容や個人情報に触れない範囲で返信
利用状況検索に使用された言葉、電話、ルート検索などの件数を確認

また、口コミへ返信する場合は、診療内容や個人情報に触れない範囲にとどめましょう。投稿者が自院を受診した患者であることを前提とする表現も避け、一般的な案内にとどめてください。

ポータルサイトに掲載して来院前に比較検討できるようにする

ポータルサイトは、業種・地域などの条件から医療機関や施設を検索・比較できるサイトです。サイトによって掲載できる情報やユーザーの検索条件が違う場合もありますが、以下の基本情報は抜け漏れなく掲載するように準備しておきましょう。

​​掲載項目​​​掲載する内容​
診療時間・休診日曜日ごとの診療時間、受付終了時刻、休診日
所在地住所、利用できる交通手段
駐車場駐車場の有無、収容台数
診療内容対応している診療内容

掲載内容は、ホームページやGoogleビジネスプロフィールと統一することも重要です。媒体ごとに診療時間が違えば、患者はどちらが正しいか判断できません。さらにAI検索でも複数のサイトの情報を照合する場合があるため、内容が食い違っていると誤回答やAIに言及されないリスクが高まる可能性もあります。
情報を変更した場合は、利用している媒体を確認し、同じ内容に更新しましょう。

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SNS運用で診療体制の変更や時期別の情報を発信する

ホームページやポータルサイトが検索時に確認する情報を掲載するのに対し、SNSは診療体制の変更や時期に応じた案内に使用します。
SNSに写真を掲載する場合は、患者や個人を特定できる情報が写り込んでいないかを必ず確認してください。院内で使用する写真の撮影範囲と確認手順をあらかじめ決めて運用しましょう。

▼内科クリニックが媒体別に発信する情報の例

媒体​​主な発信内容の例​
X(旧Twitter)・Instagram院内設備やスタッフの紹介、季節に応じた体調管理の案内、診療方針
LINE公式アカウント臨時休診や診療時間の変更、ワクチン・健診の受付開始、予約方法の案内

リスティング広告で見込み患者に届ける

リスティング広告は、検索した言葉に応じて検索結果の上部や下部に表示される広告です。この広告を配信する場合、クリニック側は、まず「この言葉で検索された場合に広告を表示する」というキーワードを登録します。たとえば「地域名+内科」で登録しておくと、その言葉で検索した人の検索結果に自院の広告が表示されるため、実際に周辺地域で内科を探している人に自院の情報を届けられるという仕組みです。

また、リスティング広告は表示されただけでは費用は発生せず、クリックされた時点で課金される料金形態が一般的なので、予算を調整しやすいというメリットもあります。 配信を始めた後は、実際に広告が表示された検索語を確認し、対象とする検索語と除外するキーワードを見直しながら運用しましょう。

▼内科クリニックで設定する検索語の例

検索語の区分設定例
地域名「地域名+内科」「隣接する地域名+内科」
最寄り駅「最寄り駅名+内科」
診療内容「地域名+発熱外来」「地域名+健康診断」
除外する検索語求人や医療関係者向けの検索など、受診目的ではない言葉

内科の集客を補うオフライン施策3選と費用目安

オンラインの集客は患者が検索する行動が起点になるため、能動的に検索していない人には届きにくいと言えます。
その点、オフライン施策では、診療圏内の住民に対して、探していない段階でも情報を届けられる点が特徴です。ここでは3つのオフライン施策を紹介します。

施策​​費用の目安
(課金単位)​
​​反応を確認する時期の目安​目的
屋外広告(看板)数万円~数十万円
制作費+設置費+賃借料。
その他屋外広告物条例に基づく許可申請の手数料
設置後~数ヶ月生活圏内の通行者にクリニックの名称や所在地を案内する
チラシ・ポスティング1枚あたりの配布料金と印刷費。
配布業者や新聞販売店への見積もりが必要
配布当日~数週間診療圏内の世帯に診療内容や所在地を案内する
内覧会・地域イベント要問い合わせ
会場準備費、案内物の印刷費、運営にかかる人件費
開催後~数ヶ月院内設備や医師、診療内容を紹介する

具体的な費用は、看板の大きさや設置期間、チラシの印刷・配布枚数、イベントの開催規模によって異なります。
反応を確認する時期は目安であり、成果や期間を示すものではありません。実施後は、問診票などで自院を知った経路を確認し、施策別に記録しましょう。

屋外広告(看板)

屋外広告は、道路沿いや建物などに看板を設置し、一定期間掲出して地域住民への認知向上をめざす方法です。クリニックの所在地や方向を案内する役割もあり、駅から離れている場合や建物の上層階など外から入口を確認しにくい場合にも、存在を認知してもらいやすくなると言えます。
費用は、制作費、設置費、掲出場所の賃借料などで構成されます。契約は年単位や複数年単位で提示されることが多いため、提示された総額を掲出月数で割り、月あたりの費用を算出したうえで、他の集客手法と比較しましょう。

▼看板に掲載する主な情報

クリニック名正式な名称
診療科標榜している診療科
例:内科・消化器内科・小児科
診療時間曜日や時間帯を簡潔に記載
例:平日 9:00-12:30/15:00-18:00 土 9:00-13:00 休診:日・祝
連絡先電話番号などを記載
例:000-0000-0000
方向案内矢印や距離などで所在地の方向を示す
例:この先200m 右手2F

看板は通行中に確認されるため、掲載項目を増やすと内容を読み取りにくくなります。クリニックの名称や所在地など、看板の目的に必要な情報を選んで記載しましょう。
また、都道府県や市区町村の屋外広告物条例に基づき、許可申請が必要となる場合があります。適用される基準や手続きは地域によって異なるため、制作前に自治体の担当窓口へ確認するとよいでしょう。

チラシ・ポスティング

チラシ配布は、診療圏内の世帯にクリニックの情報を一枚の紙で案内する施策です。主な配布方法には、ポスティングと新聞折込があります。
内科クリニックの場合、開院時の案内や診療内容・診療時間を変更した際の案内などで活用しやすいでしょう。

配布方法​​配布の仕組み​​​配布対象​
ポスティング配布業者などが住宅の郵便受けへ直接投函します。指定した区域内の世帯
新聞折込新聞にチラシを挟んで配布します。指定した区域内の新聞購読世帯

チラシの配布区域は、事前に整理した診療圏と、徒歩・自転車・車・公共交通機関などでの通院が想定される範囲と照らし合わせて設定しましょう。

内覧会・地域イベント

内覧会は、開院前や移転時に院内を公開し、地域住民に施設や診療体制を案内する取り組みです。
地域イベントには、自治体や地域の医師会が開催する健康相談会、市民公開講座などがあります。参加条件や実施できる内容は主催者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

方法主な内容事前確認事項
内覧会院内設備、受付方法、診療内容、診療時間など開催日時、案内方法、運営人員、配布物の内容
地域イベント健康に関する情報の提供やクリニックの診療情報の案内主催者、参加条件、実施内容、案内可能な範囲

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課題別に見る内科の集客手法の組み合わせ例

課題別に見る内科の集客手法の組み合わせ例

集客施策は、初診・再診・時期に応じて受診する患者のうち、どの層の受診状況を見直すかによって組み合わせます。ここでは、課題別の組み合わせ例を紹介します。

初診患者との接点を整えたい

初診の患者との接点が少ない場合は、受診先を探している人が自院の情報を確認できる状態を作れていない可能性があります。どの施策から取り組むかは、自院の課題や予算によって異なりますが、以下のような方法があります。

▼取り組みの組み合わせ例と確認事項

段階​​組み合わせる施策​​​確認する内容​
検索時に確認される基本情報を整えるGoogleビジネスプロフィール、ポータルサイト、ホームページ診療時間、休診日、所在地、駐車場、電話番号が統一されているか
検索結果に広告を表示するリスティング広告広告文とリンク先の情報が一致しているか
検索以外の方法で認知してもらうチラシ配布、屋外広告配布区域や設置場所が診療圏と合っているか

施策を実施しても新患数に変化が見られない場合は、すぐに施策の有効性を判断せず「自院の情報が正しく表示されたか」「詳細ページまで確認されたか」「来院経路として記録されたか」を分けて確認しましょう。どの段階で止まっているかによって、次に取るべき対応が変わるためです。
表示されていなければ掲載設定の見直し、表示はされているが詳細ページが見られていなければ掲載内容の見直し、来院経路として記録されていないだけであれば問診票の選択肢の見直しが必要になります。

再診患者の受診状況を見直したい

初診患者の再診率が低い場合は、患者との継続的な接点づくりとあわせて、予約方法や院内での案内方法も確認しましょう。

▼再診患者向け取り組みの組み合わせ例

​​取り組み​​​患者側のメリット​
予約方法の整備予約可能な日時や受付方法を事前に確認できる
ホームページでの案内受診前に必要な情報を事前に確認できる
診察時の案内次回受診までの予定を診察の場で確認できる

取り組み内容の変更後は、2回目の受診割合や予約状況を定期的に記録してください。数値の変化だけで原因を断定せず、患者への聞き取り結果などとあわせて取り組み内容との関係を確認しましょう。
再診率は季節性の疾患や周辺の状況にも左右されるため、数値が動いた時期と取り組みを始めた時期が重なっていても、取り組みの成果とは限らない場合があるためです。

発熱外来や健診の情報を時期に合わせて案内したい

季節ごとの受付内容が院内で決まっていても、外部に公開している情報が更新されていないと、受診を検討している人が、受診できるかどうかをその場で判断しにくくなります。
常時出しておく情報と、時期を限って出す情報を分けておくと、受付期間に合わせて案内を更新しやすくなります。

▼季節に応じた集客手法の組み合わせ例

時期集客手法発信する内容
通年ホームページ、Googleビジネスプロフィール予防接種等に対応している旨、実施時期の目安
受付開始の1ヶ月前Googleビジネスプロフィールの投稿、SNS受付開始日や予約方法の告知
受付期間中リスティング広告、SNS予約枠の空き状況や在庫状況

内科の集客を効率的に進めるためのポイント

内科の集客を効率的に進めるためのポイント

課題ごとの組み合わせを決めたあとは、手法の選び方に加えて、院内の運用や掲載内容など、実行段階で結果を左右する部分もあわせて確認しましょう。
ここでは、内科の集客を効率的に進めるためのポイントを解説します。

かかりつけ医化につながる流れを整える

すでに通っている患者に継続して受診してもらう取り組みとしては、以下のような方法があります。

  • 次回の受診日を診察の場や検査結果の説明で決める
  • 定期受診の患者へ受診時期の案内を送る

案内を送る場合は、患者本人の同意を得たうえで、連絡方法を確認しておく必要があります。

口コミへの対応方針を決めておく

Googleビジネスプロフィールには、受診した患者が口コミを投稿できます。この口コミは、地図検索で受診先の候補を比べる場面で読まれるため、既存患者への対応がそのまま新患の判断材料になります。投稿された後の対応をあらかじめ決めておきましょう。

決めること内容
返信の要否と担当者すべてに返信するか、内容によって分けるか。誰が文面を作成し、誰が確認するか
返信の内容個別の症状や診療内容には触れず、来院への謝意と一般的な案内にとどめる
院内で共有する内容複数の口コミで繰り返し言及されている内容を、待ち時間や受付対応などの改善項目として院内で共有する

返信の際は、患者の受診の事実や症状に触れないよう注意しましょう。投稿者本人が書いている内容であっても、医療機関側から言及すると個人情報を公開することになります。
なお、口コミを自院のホームページやチラシに転載することはできません。ガイドラインでは、患者等の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談を、医療機関が広告として掲載することが禁止されています(医療法施行規則第1条の9第1号)。

参照:厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」

予約の受け方を見直して受診しやすい状態にする

内科では、生活習慣病の定期受診のように日程を決めやすい受診と、発熱のように当日に来院する受診が混在します。予約方法を1種類に統一すると、どちらかの受診に対応しにくくなる場合があります。

たとえば、時間指定の事前予約にすべて寄せた場合、急に体調を崩した患者が受診しにくくなります。当日の順番受付と予約なしの直接来院を受け付ける場合は、発熱などの症状で受診する患者を別の時間帯に案内する方法もあります。こうした運用で、症状の異なる患者が待合室に同時に滞在する時間を短くしやすくなります。

受診目的が多様な内科だからこそ、来院のタイミングや受診内容に応じて受付方法を使い分けられるかの検討が重要になります。

▼予約の受け方と内科での使い分け

予約の受け方向いている受診設定時の確認点
時間指定の事前予約生活習慣病の定期受診、予防接種、健康診断など、日程を決めやすい受診1枠あたりの人数と診察時間の目安を設定できるか
当日の順番受付発熱や体調不良など、当日に来院する受診時間帯ごとに受付の上限を設定できるか
予約なしの直接来院予約手段を使わない患者、受付時間中の急な受診予約なしで来院した患者を、予約分と同じ画面で管理できるか

※予約の受け方の名称は、提供事業者によって異なる場合があります。

内科の集客で注意したい医療広告等ガイドライン

ここまでに挙げた施策は、いずれも医療広告等ガイドラインの対象になり得ます。ここでは、確認が必要な3つのポイントについて解説します。

広告規制の対象範囲

厚生労働省の指針では、医療に関する広告に該当するかどうかを2要件で判断するとしています。

誘引性患者の受診等を誘引する意図がある
特定性医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能である

誘引性と特定性のいずれの要件も満たす場合に、医療広告として規制の対象になります。対象になる媒体には、チラシ、パンフレット、ダイレクトメール、ポスター、看板、新聞、雑誌、放送、Eメール、インターネット上の広告等が含まれます。
自院のホームページ、Googleビジネスプロフィール、ポータルサイトへの掲載、自院のSNSアカウントでの投稿、リスティング広告は、一般的に2要件を満たすため、規制の対象として扱われる場合があります。看板やチラシも同様です。

参照:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」

使用できない広告表現(虚偽・誇大・比較優良など)

指針では、禁止される広告として次の8類型が挙げられています。

​​​禁止される広告​条文
内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)医療法第6条の5第1項
他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)医療法第6条の5第2項第1号
誇大な広告(誇大広告)医療法第6条の5第2項第2号
公序良俗に反する内容の広告医療法第6条の5第2項第3号
広告可能事項以外の広告医療法第6条の5第3項
患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談医療法施行規則第1条の9第1号
治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等医療法施行規則第1条の9第2号
その他(品位を損ねる内容の広告、他法令で禁止される内容の広告)医療広告等ガイドライン第3-1の1(8)

ホームページやチラシの文章をつくるときは、事実かどうかだけでは判断できない点に注意が必要です。比較優良広告は事実であっても禁止されるため、他院との比較を含む表現は使えません。
治療効果に関する事項も、効果を保証するような表現や、患者に効果を誤認させるおそれがある表現は使用できません。提供している診療内容を事実として記載する範囲にとどめる形が基本になります。

患者の口コミや体験談の扱い

患者が自発的に第三者のサイトへ投稿した口コミは、扱いが分かれます。厚生労働省のQ&Aでは、医療機関が広告料等の費用負担などの便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しないとしています。
反対に、医療機関が患者へ肯定的な体験談の投稿を依頼した場合は、有償・無償を問わず誘引性が生じるとされています。

また、第三者サイトであっても、医療機関が口コミの掲載や表示方法に関与した場合は、広告として扱われる可能性があります。医療機関側で取り組めるのは、待ち時間の見通しを伝える、説明した内容を患者が持ち帰れる形にする、受付での案内を統一するなど、受診体験そのものの改善が中心になります。

参照:厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」

内科の集客に関するよくある質問

内科の集客に関するよくある質問
集患と集客の違いは何ですか

どちらも来院につなげるための取り組みを指し、明確な定義が定められているわけではありません。集患は医療分野で使われる言葉で、患者に受診してもらうための取り組みを指します。集客は業種を問わず使われる言葉で、医療分野でも同じ意味で用いられます。
ただし医療機関の場合、表現や掲載内容に制約があります。他の業種で使われる集客手法でも、そのまま持ち込めない要素がある点には注意が必要です。

内科の新規患者を増やすには何から始めればよいですか

何から始めるかは自院の状況によって異なりますが、費用をかけずに始められる方法の1つに、Googleビジネスプロフィールの整備があります。
無料で利用でき、診療時間や休診日、写真、口コミへの返信まで自院で更新できます。「近くの内科」のように、地域と診療科を組み合わせて検索した際に地図欄へ表示される場合があります。

病院とクリニックで集客の方法は違いますか

前提となる条件が異なるため、選ぶ施策も変わります。
病院は、地域の診療所からの紹介や救急搬送を受け入れる体制を持つ場合があり、広報や集客を担当する部署を組織として置いていることもあります。地域医療連携室を置いている病院では、連携先の診療所との関係づくりが中心になります。
一方クリニックは、患者が自分で選んで直接受診する形が中心です。院長が判断も実行も担う場合が多く、かけられる費用と手間に限りがあります。そのため、地図検索やポータルサイトなど、患者が自分で探すときに確認する情報を整えることが、優先度の高い選択肢になりやすいと考えられます。
※病院は20人以上の患者を入院させるための施設を有するもの、診療所(クリニック)は入院施設を有しないもの、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するものを指します(医療法第1条の5)。

集客の成果はどの数字で見ればよいですか

媒体側で確認できる数字と、院内で把握できる数字を分けて見ると判断しやすくなります。媒体側では、Googleビジネスプロフィールのプロフィールの表示回数、ルート検索の回数、電話発信の回数、Webサイトへのクリック数を確認します。院内側では、初診の患者数と、予約を経由した受診数を把握します。
媒体側の数字が増えても院内の数字が変わらない場合は、見られてはいるが受診に至っていない状態と考えられます。この場合は、掲載している診療時間や予約方法に分かりにくい部分がないかを確認する流れとなります。

集客を外部の会社に委託できますか

委託可能ですが、医療広告の規制は医療機関だけでなく広告代理店やアフィリエイターを含めて対象になるとしています。委託先についても、掲載する広告の内容が指針に違反していないか十分に留意する必要があり、違反があった場合は「広告依頼者とともに法や本指針による指導等の対象となり得る」とされています。

まとめ

内科クリニックの集客は、自院の課題に合うものを選ぶことが出発点になります。新患が増えないという状態でも、そもそも自院が知られていないのか、知られてはいるが他院を選ばれているのかで、必要な対応は変わります。まずは問診票や口コミから、患者が自院を知った経路と受診先として選んだ理由を分けて把握しましょう。

進め方の1つとして、費用がかからず自院だけで進められるものから着手し、反応を見てから外部への委託を検討する方法があります。Googleビジネスプロフィールやポータルサイトの掲載内容を見直し、診療時間や所在地がどの媒体でも同じ内容になっているかを確認する作業は、費用をかけずに進められます。

※本記事に記載されている会社名、製品名、サービス名はそれぞれ各社の商標および登録商標です。
※本記事は医療広告等ガイドラインの概要を解説するものであり、法的判断を行うものではありません。広告掲載前には厚生労働省の最新の医療広告等ガイドラインおよび関係法令をご確認ください。


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※画像はイメージです

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