更新日:2025年9月

Web広告には、リスティング広告やディスプレイ広告などさまざまな種類がありますが、その中でもターゲット設定に強みを持つ手法として「ポータルサイト広告」が挙げられます。
ポータルサイト広告とは、名前の通りでポータルサイト上に掲載される広告のことです。広告枠を買い取る形式や検索上位に自社情報を表示させられる形式など、サイトによって広告表示のされ方は異なります。
この記事では、ポータルサイト広告のメリットや集客のコツを紹介します。その他のWeb広告との違いも解説しているので、どのようなWeb広告が自社に合っているのかわからず不安な方はぜひ参考にしてください。
そもそもポータルサイトとは? 主な4種類と特徴
ポータルサイト広告を効果的に運用するには、まずはポータルサイトの種類や特徴をしっかりと把握することが重要です。
そもそもポータルサイトとは、「ポータル(portal)」という単語に「入口」や「発端」のような意味があるように、多くのユーザーの情報収集の入り口となるようなサイトを表します。取り扱う情報によって主に4種類に分けられるので、以下で詳しく説明します。
総合型ポータルサイト
総合型ポータルサイトは、扱う情報に制限を設けず、日々のニュースや天気、お役立ち情報、ショッピング案内など、あらゆる情報が集められたサイトです。ユーザーが欲しいと思った情報がなんでも手に入るサイトなので、年齢や性別、居住地など、ユーザー像も多種多様に存在します。
しかし、さまざまなユーザーがいるということは、裏を返すと特定のユーザーに向けた広告の影響力が予測しにくいということでもあります。そのため総合型ポータルサイトに広告を掲載しても狙ったターゲットのコンバージョン(CV)につながらない可能性もあるのです。CVよりも、まずはとにかく多くの人に見てもらいたいという場合は、総合型ポータルサイトも選択肢の一つとして良いかもしれません。
地域密着型ポータルサイト
総合型ポータルサイトは全国各地どんな情報でも取り扱うのに対して、地域密着型ポータルサイトは特定の地域のニュースやイベント情報を主に取り扱うのが特徴です。地域に限らず、都市部以外の地方の情報に特化したサイトもこの地域密着型に含まれます。
総合型ポータルサイトに比べて閲覧ユーザー数は少なくなりますが、特定の地域に住む人にピンポイントでアプローチが可能です。会社や店舗の所在地周辺に住む人々をターゲットにしている場合は、地域密着型ポータルサイトへの広告掲載は効果が出やすいと言えるでしょう。
専門型ポータルサイト
サイト上で扱う情報が一つの分野に特化しているポータルサイトは、専門型ポータルサイトと呼ばれます。たとえば、美容・健康系や不動産系、キャリア系などさまざまな分野でポータルサイトが存在しています。
特定の分野に限った情報を扱うので、ユーザーニーズが明確な場合が多くCVも狙いやすいですが、競合企業も同じサイトに広告を掲載する可能性が高いので、ほかのポータルサイトに比べても他社と比較されやすくなります。
他社への優位性を広告で示せないとCVにつなげることは難しいので、アピールの方向性や強みの打ち出し方を工夫する必要があるでしょう。
ブログ型ポータルサイト
ブログ型ポータルサイトは、情報の専門性や地域性などに制限はありませんが、情報提供の仕方が文章・コラム形式と決まっているポータルサイトです。サイトで扱うコンテンツは文章形式と限られていますが、広告の形式は動画やバナー、文章になじむネイティブ広告などさまざまな手法で掲載可能です。
ブログ型ポータルサイトに訪問するユーザーは、記事コンテンツを見にきているため、広告だとわかりやすいデザインだと読み飛ばされてしまう可能性もあります。ポータルサイトのコンテンツを邪魔せずに、かつそのサイトで人気な記事を読みそうなユーザーに響くコピーの作成が重要になります。
ポータルサイトへ広告を掲載するメリット
ポータルサイトの種類について理解が深まったところで、次にポータルサイトに広告を掲載するメリットを紹介します。
①これまでアプローチできなかった層にも宣伝できる
これまでアナログな手法で宣伝をしていたビジネスオーナーさまは特に、ポータルサイトに広告を掲載することで多くのユーザーに事業を知ってもらうきっかけになります。
たとえば専門型ポータルサイトに掲載した場合、特定の分野に興味があるという共通点以外は年齢も性別も住んでいる地域も異なるユーザーに同時にアプローチが可能になります。
今まではターゲットとしていなかった人からも反応がもらえるなどの発見につながる可能性もあるため、宣伝範囲を広げたいと思っている方にはおすすめです。
②ニーズが明確にある顧客の集客につなげやすい
ポータルサイトごとの特徴でも簡単に説明しましたが、ポータルサイトで扱う情報の種類によって訪問するユーザーのニーズは異なります。サイトごとにどのような情報が載っているかを理解したうえで見に来ているユーザーがほとんどなため、検索エンジンでの検索よりも一段階ニーズが明確になっていると言えます。
そのため、問い合わせや購入にもつなげやすいフェーズのユーザーも多く、リスティング広告やディスプレイ広告よりも集客に効果が出やすい傾向にあります。特にニッチなニーズのユーザーを狙いたいなら、ポータルサイト広告はぴったりでしょう。
③競合他社と比較した際の強み・弱みが明確になる
専門型ポータルサイトへの広告掲載の場合は特に競合他社と顧客を奪い合う形になるので、良い意味でも悪い意味でも自社の強みと弱みが浮き彫りになります。
事業としての強み・弱みだけでなく、広告でのアピールポイントやキャッチコピーの付け方、広告の出し方など、集客面でどのように差異化すべきなのかという観点も明らかになるでしょう。
競合他社のPR方法も参考にしながら自社の集客をもっと強化することも可能なので、今の集客方法で伸び悩んでいるビジネスオーナーさまにはおすすめです。
ポータルサイトへ広告を掲載することによるデメリット
広告を掲載するメリットがある分、もちろんデメリットもあります。両面からポータルサイト広告の費用対効果を分析して検討しましょう。
①多くの人に見てもらうためにはコストがかかる場合がある
ポータルサイト広告には種類があり、自社の情報を検索画面で上位に表示させる広告や、ポータルサイト上の決められた広告枠を買い取って情報を掲載する広告など、さまざまな形式があります。
たとえば上位表示される広告だと、広告プランによって検索結果の何番目に表示されるのかは異なります。同じ検索ワードで表示させたい競合企業が自社より上位プランを契約していた場合、思っていたより上位に表示されないこともあり得るのです。
そのため、より多くの人に見てもらうためにはコストがかかるケースも多く、ほかの広告手法のほうが初期費用は安く済む可能性もあります。コストに見合った効果が得られるかどうかを分析したうえで検討しましょう。
②サイトの選定を間違えると集客につながりにくくなる
最初に4種類のポータルサイトについて紹介しましたが、それぞれのサイトの特徴を理解せずに広告を掲載するサイトを選んでしまうと、見合った成果につながらない可能性があります。
たとえば、とにかく多くの人に見てもらいたいと総合型ポータルサイトに広告掲載をしても、同じサイトに広告を出している企業が名だたる大手企業だった場合、広告をちゃんと見てもらえずCVだけでなく認知拡大にもつながらないというケースもあります。
集客につなげるという観点で最も適切なポータルサイトはどこなのか、しっかり吟味しましょう。
③掲載情報が少ないと競合に負けてしまう可能性がある
企業・事業の検索ができるポータルサイトの場合、自社で掲載している情報が薄いと、せっかく広告を出しても集客までつながらない場合があります。また、広告枠を買って表示させる場合でも、その枠内で伝わってくる情報が少ないと同じような結果になってしまうのです。
ポータルサイトは閲覧しているユーザーのニーズがわかりやすいからこそ、提供できる情報の量や質にもこだわらなければ成果にはつながりません。他社よりも自社の強みやアピールポイントが目立つように、広告を掲載する前に情報を精査しておきましょう。
さまざまなWeb広告と比較! ポータルサイト広告のコスト相場
広告手法を選ぶにあたって、どれくらいのコストがかかるのかは重要な要素ですよね。
Web広告の種類としては、検索キーワードに対応して表示させるリスティング広告、指定の広告枠に画像・動画・テキストなどで表示させるディスプレイ広告など、ほかにもさまざまあります。ポータルサイト広告はサイトの規模や広告枠の大きさによっても費用は変動しますが、以下の表でほかの広告手法とのコストを比較してみましょう。
種類 | 概要 | 費用目安 |
ポータルサイト広告 | ポータルサイト上に掲載する広告。情報を上位表示させるプランやサイト上の広告枠を買い取るプランなどがある。 | 掲載保証型、クリック課金型 数万円~数十万/1カ月 ※無料掲載から始められるサイトもある |
リスティング広告 | 設定したキーワードの検索結果に表示される広告。 | クリック課金型 1円~数百円/1クリック 数万円~/1カ月 |
ディスプレイ広告 | Webサイトやアプリなどの広告枠に画像・動画・テキストなどで表示される広告。 | 掲載保証型、期間保証型 数万円~数十万円程度/1カ月 |
SNS広告 | 各種SNSのタイムラインや広告枠に表示される広告。 | クリック課金型、エンゲージメント課金型 50円~/1クリック 数万円~/1カ月 |
記事広告 | 記事形式でサービスや商品を宣伝・レビューする広告。掲載するメディアの規模によって費用が変動しやすい。 | 掲載保証型 10万円~数百万円/1記事 |
動画広告 | 動画配信サービスやSNSで表示される動画形式の広告。 | クリック課金型、インプレッション課金型 10円~/1クリック 数万円~/1カ月 |
表からもわかるように、Web広告を運用するなら大体1カ月数万円はかかると考えておきましょう。効果を測定しながら、予算を増やすのか調整するのかを検証していくイメージです。
これらWeb広告の中でもポータルサイト広告の特徴は、簡易的な掲載であれば無料から始められるサイトがある点です。もちろん有料での掲載と比較するとさまざまな制限があるケースが多いですが、まずは低予算でWeb集客を始めたいというビジネスオーナーさまにはぴったりな選択肢と言えます。
自社に合ったポータルサイトを選定する3つの方法
ここまでの内容でポータルサイトへの広告掲載を本格的に検討しようという方に向けて、ここでは広告を掲載するポータルサイトをどのような基準で選定すべきかについて解説します。
3つの基準を紹介するので、1つずつ試して自社に合ったサイトを見極めましょう。
ポータルサイトを活用しているユーザー層から選ぶ
前述のように、ポータルサイトによって閲覧するユーザー層は異なります。サイト側がユーザーの属性を公開しているケースもあるので、どのようなユーザーが見ているサイトなのか、ターゲットとしている人の母数が多そうかは必ず確認しましょう。
サイトがユーザー属性を公開していない場合は、すでにポータルサイトに掲載している他の事業者がどの層に向けた情報提供をしているのかを確認してみてください。同業はもちろん、近い業種も見てみると大まかなユーザー層が把握できるでしょう。
情報の掲載量やデザインの自由度から選ぶ
自社の情報を掲載できるタイプのポータルサイトだった場合、どの程度の情報を掲載できるのか、デザインやレイアウトはどれくらい自由に変更できるのかという点も集客において重要です。
情報をたくさん伝えられれば、ポータルサイトだけで十分に自社の強みをアピールできるので、ほかのサイトを経由せずに集客につなげることができます。また、デザインで他社と差異化できるのであれば、数多くの情報が載っている中でもお客さまの印象に残るような工夫もできるでしょう。
契約するプランによって情報量やデザイン性が変わるポータルサイトもあるので、事前に調べておきましょう。
広告掲載の予算と効果を比較して選ぶ
ポータルサイト上で多くの人に見てもらうためには一定の費用がかかるので、かかる費用と効果のバランスを見極めることが大切です。
とにかく有名なサイトに広告を掲載して効果を高めようと高額な広告費を払っても、広告をスルーされてしまえば何の成果にもつながらず、費用対効果はマイナスになってしまいます。
まずは無料で自社情報を掲載できるポータルサイトもあるので、掲載をすることによってどのような効果が得られるのかを試してみてから、費用対効果を考えてみるのも良いでしょう。
ポータルサイトへの広告掲載で効率的に集客をするコツ3選
最後に、自社の情報を掲載できる検索系のポータルサイトで、広告の効果を高める方法を紹介します。
簡単にできる3つのコツをまとめたので、これからポータルサイトに情報を掲載する人はぜひ試してみてください。
設定するキーワードは具体的にする
ポータルサイト内で事業を検索できる設計の場合、どのようなキーワードで検索されたら自社の情報を検索結果に出すのかという「キーワード設定」をすることになります。たとえば、東京都中野区で飲食店をしている場合、キーワードとしては「中野区」「飲食」のようなキーワードを設定できるのです。
キーワード設定について、指定のキーワードの中で設定させるサイトもあれば、細かなキーワードまで設定できるケースもあります。もし自由にキーワードを設定できる場合は、たとえば「カフェ」「ケーキ」「コーヒー」などのワードも設定しておくと、より確度の高いユーザーに自社を見つけてもらえるので、積極的に活用しましょう。
掲載できる情報はできるだけ充実させる
ポータルサイトによっては、屋号・住所・営業時間・電話番号など基本情報に加えて、事業のこだわりや他社との違いまで掲載できる場合があります。自社の情報を充実させることは集客に直結するので、できるだけ情報は細かく、かつわかりやすく伝えるようにしましょう。
ユーザー視点で考えてもさまざまな情報を見て検討できたほうが不安は少なくなるので、新規顧客獲得につなげるためにもできるだけ情報を充実させることを意識しましょう。
掲載するポータルサイトのユーザー層に合わせた言葉選びを意識する
掲載する情報や広告のキャッチコピーに関しても、ただ必要な要素を入れるだけではなく、狙ったユーザーが自分ごとのように思える言葉を選ぶようにしましょう。
たとえば、子どものいる家庭にもターゲットを広げたいと考えているなら、「キッズルーム完備」「お子さまとの来店歓迎」のような言葉を入れることで、「子どもがいるから店舗に行きにくい」と悩んでいるユーザーへ安心感を与えられます。
ターゲットがどのようなことに悩んでいるのか、どのような要素でそのサービスを利用する/しないを決めているのかを具体的に分析して、適切な言葉選びを意識しましょう。
まとめ:目的に合ったサイト選びでポータルサイト広告の効果を最大化させよう!
ポータルサイトに広告を掲載するメリットや効果、適切なサイトを選ぶ方法などを解説しました。
Webでの集客を強化したくても何から始めたらよいのかわからないという人は、まずはコストを抑えられるポータルサイトへの広告掲載がおすすめです。
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