看板広告VSポータルサイト(Web広告)|効果的な集客手法はどっち?

更新日:2025年9月

看板広告

「広告は出したいけれど、どれが本当に効果があるのか分からない…」そんな悩みを抱えるビジネスオーナーさまも多いのではないでしょうか。
限られた予算の中で地域での認知を高めたいのか、それとも成果につながる問い合わせや来店を増やしたいのか。目的によって選ぶべき広告手法は大きく変わります。
本記事では、地域密着型の「看板広告」とインターネット上で広く展開できる「ポータルサイト(Web広告)」を比較しながら、それぞれの特徴やメリット・デメリットを整理。さらに、あなたに合った広告の選び方まで分かりやすく解説します。
「効果的な集客をしたい」「広告費を無駄にしたくない」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

看板広告の種類と特徴

それではまず、看板広告の種類と、それぞれの特徴について解説します。

屋上看板

屋上看板は、ビルや建物の屋上に設置される看板広告です。遠くからでも目立つため視認性が高く、特に交通量の多い幹線道路沿いや駅周辺などに設置することで、地域住民や通行人への強力なPR効果が期待でき、企業名や店舗名の認知度を高めるのに効果的です。
一方で、設置には一定の初期費用が必要になることや、即効性やターゲティング精度の面で劣るというデメリットもあります。
しかし、屋上看板は「常に街に存在し続ける広告」として、集客力をじわじわと高めるマーケティング手法として根強い人気があります。

壁面看板

壁面看板は、建物の壁面に設置される看板です。スペースがない場合でも壁を活用することで店舗や企業の存在感を強くアピールできます。通行人や車両からの視認性が高く、店舗の場所を明確に伝える役割も果たします。
また、屋上看板の設置の場合には欠かせない支柱も壁面看板なら不要なため、初期コストを抑えることができます。近年ではLEDビジョンを使ったデジタルサイネージ(電子看板)も増えてきています。

突き出し看板

突き出し看板は、建物の壁から垂直に突き出す形で設置され、通行人の目に留まりやすいのが特徴です。歩行者目線でのPRに適しており、商店街や駅前など、人通りの多い場所での集客力を高める手法として活用されます。
ただし表示には規制があり、設置前には規制に抵触しないかを確認しておかなければなりません。

野立て看板

野立て看板は、道路沿いや空き地などに設置される大型看板で、広範囲のドライバーや通行人に向けたPRに適しています。特に郊外の店舗や施設の案内に活用され、遠方からの集客を狙う手段として有効です。

電柱看板

電柱看板は、街中の電柱に設置される小型の看板で、地域住民への認知向上に効果的です。地元住民が見ることが多いため、近隣エリアの企業や店舗が道案内などに利用することも多いです。設置コストも比較的低く、中小企業や個人店舗でも導入しやすい広告手法と言えます。

駅看板

駅看板は、駅構内やホーム、改札付近などに設置される広告で、多くの人の目に触れる高い視認性が魅力です。通勤・通学者へのアプローチが可能で、信頼感のあるPR手法として駅周辺の施設案内や商品告知など幅広く利用されています。

スタンド看板(自立看板)

スタンド看板(自立看板)は、店舗の前や敷地内に設置される移動可能な看板で、来店を促す直接的な集客力があります。メニューやキャンペーン情報などを柔軟に表示できるため、リアルタイムなPRができます。種類やサイズ、材質も豊富で店舗のイメージや予算にあったものを選ぶことができるため、導入しやすいことがメリットです。

ポータルサイト(Web広告)の特徴

それでは次に、ポータルサイト(Web広告)の特徴について解説します。

ポータルサイト広告とは、インターネット上の情報検索サイトに企業や店舗の情報を掲載することで、ユーザーの検索行動に合わせて効果的にアプローチできる広告手法です。特に地域密着型のビジネスや、特定のサービス分野に絞った事業にとって、費用対効果の高い集客手段として広く活用されています

たとえば、地域情報を中心に扱う検索サイトでは、飲食店、美容室、病院、修理業者など、さまざまな業種の店舗情報が掲載されています。ユーザーは「地域名+業種名」で検索することで、近隣の店舗を簡単に見つけることができ、電話番号や営業時間、地図、口コミなどの情報を確認したうえで、来店や問い合わせにつなげることができます。

また、飲食店や美容関連など、特定の業種に特化した情報サイトも存在します。これらのサイトでは、メニューや施術内容、料金、写真、利用者の感想などが詳しく掲載されており、ユーザーは比較検討しながら自分に合った店舗を選ぶことができます。こうした専門性の高いサイトは、目的がはっきりしているユーザーにとって非常に便利で、広告を掲載する側にとっても、関心度の高い層に直接アプローチできるというメリットがあります。
さらに、最近では地図アプリや検索エンジンと連動した店舗情報の掲載サービスも、ポータルサイト的な役割を果たしています。スマートフォンで「近くの○○」と検索するだけで、現在地周辺の店舗が表示されるため、外出先での利用にも適しており、即時性の高い集客が可能です。

このように、ポータルサイト広告は、ユーザーが「今、探している」タイミングに合わせて情報を届けることができるため、即効性が高く、効果測定も可能です。

看板広告とポータルサイト(Web広告)の違いを3つの視点で比較!

ここからは、看板広告とポータルサイト(Web広告)の違いについて3つの視点から比較していきます。

到達範囲とターゲティング

看板広告は、設置された場所を中心に視認されるため、地理的に限定された範囲へのアプローチに向いています。通行人や車の運転者など、偶然その場所を通る人々が主なターゲットとなるため、ターゲティングは広く浅い傾向があります。
一方、ポータルサイト広告は、インターネット上で情報を探しているユーザーに対して、検索キーワードや地域、興味関心などに応じて広告を表示できるため、狙った層にピンポイントで届けることが可能です。つまり、看板広告は「通りがかりの人」に、Web広告は「探している人」に届くという違いがあります

コストと運用

看板広告は、設置にかかる初期費用が比較的高額である一方、長期間にわたって掲出できるため、継続的な運用コストは抑えられる傾向があります。ただし、設置場所の選定やデザイン制作、許可申請など、準備に時間と手間がかかることもあります。
一方、ポータルサイト広告は月額料金や、掲載効果によって料金を支払うクリック課金型の契約など柔軟な料金体系が多く、予算に応じてスモールスタートが可能です。情報の更新も自社で簡単に行えるものも多いため、運用の自由度が高く、短期的なキャンペーンにも対応しやすいのが特徴です。

効果測定と成果の可視化

看板広告は、目にした人の数や反応を正確に測定することが難しいため、効果の可視化には限界があります。来店数の増加などから間接的に判断するケースが多く、データに基づいた改善がしづらい面があります。
一方、ポータルサイト広告は、アクセス数、クリック数、問い合わせ数などのデータ取得が可能で、広告の成果を数値で把握できます。これにより、掲載内容の改善やターゲットの見直しなど、PDCAサイクルを回しながら運用することが可能です。柔軟性や成果を可視化できるという点では、Web広告の方が優位性があります

看板広告のメリット・デメリット

ここからは看板広告のメリット・デメリットについて解説します。

看板広告のメリット

① 地域での視認性が高く、繰り返しの接触が印象を深める

看板広告は、設置された場所を通る人々の目に自然と入るため、地域住民への認知度向上に非常に効果的です。駅前や商店街など人通りの多い場所に設置された看板は、毎日多くの人の視界に入るため、店舗名やサービス内容が無意識のうちに記憶に残りやすくなります。
これは心理学で「繰り返し接触することで好意や関心が高まる」とされるザイオンス効果(単純接触効果)によるもので、たとえば通勤・通学の途中で毎日目にする看板があると、最初は意識していなくても、徐々に「そういえば、あそこに新しいカフェができたな」「あの整骨院、よく見るけど評判どうなんだろう?」といったように、自然と興味が湧いてくるのです。
看板広告は、ただ情報を伝えるだけでなく、日常の中で繰り返し目にすることで、じわじわと印象を深めて、潜在的な来店意欲を高めるというメリットがあります。

② 長期的な掲出による安定した認知効果を得られる

看板広告は、一度設置すれば長期間にわたって情報を発信し続けることができるため、継続的な認知の蓄積に向いています。Web広告のように掲載期間が終わると消えてしまうことがなく、常にその場所で情報を発信し続けることができます。たとえば、住宅街にある店舗が通り沿いに看板を設置することで、何年もの間地域住民の目に触れ続けることができ、必要なタイミングで思い出してもらえる可能性が高まります。これは、短期的なキャンペーンではなく、地域におけるブランドの定着をめざす広告戦略として有効です。

このように、看板広告は日常の中で繰り返し目にすることで印象を深める力と、長期間にわたって安定して情報を発信し続けられる持続性を兼ね備えた広告手法です。地域に根ざしたビジネスにとっては、信頼感の醸成やブランドの定着に貢献する有効な手段となります。

看板広告のデメリット

① 広告効果の測定が難しい

看板広告は多くの人の目に触れる可能性がある一方で、その効果を数値で把握するのが難しいという課題があります。たとえば、何人が実際に看板を見たのか、どれだけの人がそれをきっかけに来店したのかといった具体的な成果を測定する手段が限られており、広告の反応を正確に分析することができません。Web広告のようにクリック数や閲覧数、コンバージョン率などのデータが取得できるわけではないため、改善のための検証や戦略の見直しがしづらいという点は、運用面での大きなハードルとなります。

② 訴求できる情報量に限りがある

看板広告は、一瞬で目に入ることを前提とした媒体であるため、掲載できる情報には制限があります。視認性を重視する必要があるため、文字数やデザインに工夫が求められ、詳細なサービス内容や料金、キャンペーン情報などを十分に伝えることは難しいのが現実です。多くの場合、伝えられるのは店舗名やキャッチコピー、連絡先などの基本的な情報にとどまり、深い理解や比較検討を促すには不向きな広告手法と言えます。そのため、看板だけで完結するのではなく、他の広告手段と組み合わせて補完することが必要な場合もあります。

このように、看板広告は「見られる力」に優れている一方で、「測る力」や「伝える力」には限界があるため、目的や業種に応じた使い方が求められます

ポータルサイト(Web広告)のメリット・デメリット

次に、ポータルサイト(Web広告)のメリット・デメリットについて解説します。

ポータルサイト(Web広告)のメリット

① 必要な人に、必要な情報を届けられる

ポータルサイト広告の最大の強みは、ターゲットに合わせた情報発信ができることです。ユーザーが検索したキーワードや地域、業種などに応じて、広告を表示することができるため、関心の高い層にピンポイントでアプローチできます。たとえば「港区 美容室」と検索した人に、美容室の情報を表示することで、来店につながる可能性が高まります。これは、看板広告のように「通りがかりの人」に訴求するのではなく、「探している人」に直接届けられるという点で、非常に効率的です。

② 効果を数値で把握でき、改善につなげやすい

Web広告は、アクセス数やクリック数、問い合わせ数などのデータが取得できるため、広告の成果を数値で把握することができます。これにより、掲載内容の改善やターゲットの見直しなど、PDCAサイクルを回しながら運用することが可能です。たとえば、ある業種の広告が思ったほど反応がなければ、写真やキャッチコピーを変更したり、掲載エリアを見直したりすることで、より効果的な集客につなげることができます。こうしたデータに基づいた柔軟な運用は、紙媒体や看板広告では難しい点です。

③ 情報更新が簡単で、タイムリーな発信ができる

ポータルサイト広告は、掲載情報の更新が容易で即時性があるため、季節ごとのキャンペーンや営業時間の変更など、タイムリーな情報発信に非常に適しています。たとえば、飲食店がランチメニューを変更したり、美容室が期間限定の割引を告知したりする場合でも、すぐに情報を反映させることができます。これは、看板広告のように物理的な変更が必要な媒体とは異なり、スピーディかつ柔軟に対応できるという大きなメリットです。

このように、ポータルサイト広告は「届けたい人に、届けたい情報を、すぐに届ける」ことができる、現代の集客に非常に適した広告手法です

ポータルサイト(Web広告)のデメリット

① 競合との比較にさらされやすい

ポータルサイトは、同じ業種の企業や店舗が並列で掲載されることが多いため、ユーザーにとっては比較しやすい環境になります。これは一見便利なようで、広告を出す側にとっては価格やサービス内容、口コミ評価などで他社と比較されるリスクが常にあるということです。競合他社との差異化が不十分な場合、埋もれてしまったり、選ばれにくくなる可能性があります。

② 掲載費用が継続的にかかる

ポータルサイト広告は、月額課金やクリック課金などの継続的な費用が発生するケースが多く、長期的に運用する場合はコストが積み重なります。看板広告のように一度設置すれば長く使えるというわけではなく、掲載をやめるとすぐに表示されなくなるため、継続的な予算確保が必要です。また、成果が安定しない場合は費用対効果の見直しも必要になります。

③ 情報が多すぎて埋もれる可能性がある

ポータルサイトは情報量が豊富である反面、掲載数が多すぎることで、個々の広告が埋もれてしまうことがあります。特に大手企業や人気店舗が上位に表示される傾向があるため、中小企業や新規参入の店舗は目立ちにくくなることも。検索結果の上位に表示されるためには、追加の広告費やSEO対策が必要になる場合もあります。

このように、ポータルサイト広告は「効率的に届ける力」がある一方で、「競争の激しさ」や「継続的な費用負担」といった課題もあるため、戦略的な運用と競合他社との差異化を図る工夫が必要となります

あなたに合った広告を選ぶポイント

広告にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や向いている用途があります。看板広告とポータルサイト広告(Web広告)もその一例で、どちらが効果的かは業種や目的、予算によって異なります。ここでは、広告を選ぶ際に押さえておきたい4つの視点から、あなたのビジネスに合った広告手法を選ぶためのポイントをご紹介します。

ターゲット層はだれか

広告を選ぶうえで最も重要なのは、誰に届けたいかという視点です。地域住民や通行人など、広く不特定多数に認知してもらいたい場合は、看板広告が効果的です。一方、特定のニーズを持ったユーザーや、検索行動をしている人にアプローチしたい場合は、ポータルサイト広告が適しています。ターゲット層の行動パターンや情報収集の手段を考慮することで、広告の方向性が明確になります

広告の目的は何か

広告の目的によって、選ぶべき手法は変わります。たとえば、店舗の存在を知ってもらうことが目的であれば、看板広告による視認性の高さが有効です。逆に、問い合わせや予約など、具体的なアクションにつなげたい場合は、ポータルサイト広告のように情報を詳しく伝えられる手法が適しています。認知拡大なのか、集客なのか、ブランディングなのか――目的を明確にすることで、広告の役割がはっきりします

予算と運用期間はどれくらいか

広告には初期費用や運用コストがかかります。看板広告は設置にまとまった費用が必要ですが、長期間掲出できるため、安定した露出が期待できます。一方、ポータルサイト広告は月額制やクリック課金など、柔軟な料金体系で短期的な運用にも対応可能です。予算の規模や、どれくらいの期間広告を続けたいかを考えることで、費用対効果の高い選択ができます

広告の更新頻度はどれくらいか

広告に掲載する情報が頻繁に変わる場合は、更新のしやすさも重要なポイントです。ポータルサイト広告は、キャンペーンや営業時間の変更などをすぐに反映できるため、情報発信の柔軟性に優れています。一方、看板広告は設置後の変更が難しく、長期的に変わらない情報の訴求に向いています。自社の情報更新の頻度や、伝えたい内容に合わせて、適した広告手法を選びましょう

まとめ:必要な情報を必要な人に届けたいならポータルサイト広告が適切!

看板広告とポータルサイト(Web広告)は、それぞれ異なる強みを持つ広告手法です。看板広告は、地域での視認性や長期的な認知の蓄積に優れており、街の中で自然と存在感を高めることができます。一方、ポータルサイト広告は、検索行動に合わせて必要な情報を必要な人に届けることができ、即効性や効果測定のしやすさが魅力です。

どちらが「効果的」かは、業種やターゲット、広告の目的、予算、運用スタイルによって変わります。大切なのは、自社の状況に合わせて最適な手法を選ぶこと。そして、場合によっては両者を組み合わせることで、オンラインとオフラインの両面から相乗効果を狙うことも可能です。
広告は「出すこと」よりも「どう活かすか」が重要です。この記事を参考に、あなたのビジネスに最適な広告を見つけてみてください。