紙とWebはどちらが効果的? チラシ・ビラ・フライヤーとWeb広告の比較

更新日:2025年9月

WebサイトやSNSでの宣伝が主流になる中で、集客の方法としてWeb広告と紙での広告(チラシ・ビラ・フライヤー)はどちらが効果的なのか気になる方も多いでしょう。
どちらの手法にもメリットとデメリットがあるため、広告を始める際は自社の事業形態にとってメリットが大きいのはどちらなのかという判断基準を持ってから選ぶようにしましょう。

この記事では、それぞれの広告手法のメリット・デメリット、費用対効果を最大化させるためにできることを紹介します。今の広告手法に限界を感じている方は、ぜひ新しい集客の窓口を増やすために参考にしてください。

紙媒体の宣伝方法「チラシ・ビラ・フライヤー」の特徴

まずは、紙の広告として一般的なチラシ・ビラ・フライヤーのそれぞれの特徴を説明します。
いずれも紙を使うという点は共通していますが、アプローチできるターゲットに違いがあるので、詳しく解説します。

チラシ:広い範囲にまき散らす広告物

紙の広告の一般的な名称として、「チラシ」になじみがある人も多いでしょう。新聞の折り込みチラシやポストに投函されるチラシなど、日常生活の中でさまざまな場面で目にしますよね。

多くの人にまき散らすことを目的とした広告物なので、その用途によってサイズもデザインもさまざまです。たとえば新聞の折り込みチラシなら新聞に合うようにB4サイズが一般的ですが、スーパーのチラシは情報をたくさん載せるためにB3サイズが使用されることもあります。
大量印刷で多くの人に配ることが前提の広告物なので、低コスト制作できるという点が特徴です。

ビラ:掲示されている広告物

ビラは配布される広告物ではなく、掲示板などに張られている広告物を指します。町中や公共の施設に張り出されていることが多く、張り出しておけば配る手間はかからないので、チラシよりも配布のコストは抑えられるでしょう。

しかし見逃されることも多いので、他の紙媒体の広告よりも集客効果としては劣ってしまう可能性が高いと言えます。パッと見て情報が伝わるようなデザインやレイアウトで、見た人の目を惹く工夫が重要です。

フライヤー:特定の人に配布する広告物

フライヤーも配って宣伝する広告物ですが、チラシより用途が限定的という特徴があります。活用しやすい業種としては、カフェやレストランなどの飲食店、美容サロン、イベント運営などで、配布方法は業種によって異なります。

たとえばイベント運営業であれば、ライブやコンサート後に今後のイベント情報のフライヤーを配るケースが多いでしょう。または、出演者の別のイベントに関する宣伝として配られることもあります。
一方でカフェやサロンなどの場合は、店頭のラックに複数種類のフライヤーを並べて、気になったものを好きに持ち帰ってもらうという方法で配るケースが多いでしょう。

チラシと特に異なるのは、ユーザーが興味を持ってくれないと受け取ってもらえないという点です。そのためデザインやサイズ、紙自体の形状や紙質など、他のフライヤーとの違いが一目で分かるような工夫が必要になります。

チラシを確実に届けたいなら「ポスティング」という配布手法がある

チラシはまき散らす目的の広告物という説明をしましたが、ただ町中で歩く人に無作為に配っても、今の時代は受け取ってもらうほうが難しいですよね。
そのため、チラシを確実に見てもらう手法として「ポスティング」があります。ポスティングは住居の郵便受けにチラシを投函する手法で、ピザのデリバリーのチラシがいつの間にか入っていて頼むつもりがなかったのにピザの気分になった経験がある人も多いのではないでしょうか。

ポスティングの効果が出やすい業種としては、ピザのようにチラシを見て「食べたい」というニーズを引き出すことができるものが当てはまります。デリバリー以外にも、不用品回収や通信回線の改善サービス、不動産など多岐に渡ります。チラシからの集客効果を上げたいならポスティングも検討してみてください。

4つの観点で比較! Web広告とチラシ・ビラ・フライヤーなどのアナログ広告の違い

紙の広告のそれぞれの特徴について簡単に理解できたら、さっそくWeb広告と紙の広告の違いを確認していきましょう。
ターゲットの広さやコスト面など4つの観点で比較するので、自社の事業にはどの観点が重要かを考えながら確認してくださいね。

アプローチできる範囲

新しく広告を打つにあたって、どのような人に届けられるのかという要素は必ず調べるポイントですよね。それぞれの特徴によってアプローチ可能な人の範囲は異なるので、自社が求める広告効果に見合った手法はどれなのか考えてみましょう。

Web広告
ユーザーの年齢や性別、住所、検索ニーズ等の細かい条件を設定できる。予算をかければ幅広い範囲のターゲットにアプローチできるが、少ない予算だと範囲が限られてしまう場合もある。
チラシ
特定の地域に住む人
ビラ
特定の地域に住む人、公共施設を利用する人
フライヤー
特定のイベント会場や店舗に行った人

Web広告は多くの人に配信できる可能性を秘めている一方で、範囲を広げようとするとその分コストもかかってしまいます。一方で紙媒体の広告物は基本的に絞れる条件が決まっていて、チラシやビラは住む地域、フライヤーは特定のイベントなどに行ったという条件で対象者が絞られます
事業所周辺という地域性だけで絞りたいならWeb広告よりアナログ広告のほうが向いていますが、より範囲を広げたいなら、地域密着型のポータルサイトへのWeb広告掲載がおすすめです。

効果測定の方法

広告を出して集客をするなら、成果がしっかり出ているのか、かけた予算を回収できる成果が出ているのかを把握する必要があります。それぞれの方法でどれくらい詳しく測定できるのか比較してみましょう。

Web広告
表示回数・クリック数・CV数など、細かなデータまで測定できるので、改善サイクルをすぐに回すことができる
チラシ
チラシを見た人数などの効果測定は難しい
ビラ
ビラから行動を移した割合などの効果測定は難しい
フライヤー
イベントなどでフライヤーを受け取った割合は測定できるが、その後の効果測定は難しい

効果測定に関しては、アナログな広告手法は圧倒的に劣勢です。何人が広告物を見てそこから何人がCVにつながったかは自己申告でしか測れず、その正誤を判断する手法がないためです。
Webであれば、細かなCV率に加えて、ユーザーが何経由で広告を見てどこで離脱したのかという数値も測定できるので、すぐに改善方法を分析して検証することができます。

かかる費用・コスト

Webでも紙でも、広い範囲に広告を打とうとすればかかる費用は増えていきますが、広告のどこに予算がかかるのかという点に違いがあります。

Web広告
広告の課金方式によってかかる費用が大きく変わる。クリック課金型や成果報酬型の広告は費用が変動しやすく、成果が安定するまでに高額な予算になる可能性がある。
チラシ
印刷費用が必ずかかるため、大量印刷して1枚当たりのコストを下げるか少ない枚数で試してからにするかでコストが変わる。ポスティングの場合は配布の人件費もかかる。
ビラ
チラシと同様に印刷費用が必ずかかる。掲載するのみなので配布の費用はかからない。
フライヤー
チラシと同様に印刷費用と配布費用がかかる。平置きのビラの場合は配布費用がかからない。

Web広告の場合、印刷や配布のための費用はかかりませんが、競合が多い中で成果を上げるためにはそれ以上にコストがかかる可能性が高いです。特に初めてWeb広告を始める方は分析にも慣れていないため、想定よりコストがかさんでしまうというケースも多いのです
紙の広告の場合は、印刷する部数や配布する地域を限定すればコストは抑えやすいと言えます。

広告配信の柔軟性

最後は広告を出す際の柔軟性です。ターゲットを変えたりデザインを変えたりなど、柔軟に変更がきくのかという観点で比較しました。

Web広告
広告の反応に対して配信数や配信時間等を調整しやすい。デザインも簡単に変更ができるため、デザインを変えたA/Bテストもしやすい。
チラシ
配布枚数やデザインの調整のためには再印刷が必要なため直前の調整は難しい。
ビラ
掲示できる場所は一定決まっているため自由な調整は難しい。
フライヤー
チラシと同様に、枚数もデザインも変更時には再印刷が必要なため直前の調整は難しい。

柔軟性という観点ではWeb広告に勝るものはないと言えます。設定を変更するだけでデザインやターゲットなども簡単に調整できるので、さまざまな広告で検証したいならWeb広告がピッタリでしょう。
一方、紙の広告物は印刷の手間があるので、何か小さな調整や修正をする際も一定期間は必要だと覚えておきましょう。

チラシ・ビラ・フライヤーなどのアナログ広告のメリット・デメリット

改めてアナログ広告のメリット・デメリットを表でまとめました。それぞれ少しずつ異なるメリットがあるので、今の広告手法と比較してみてください。

メリットデメリット
チラシ・地域住民に直接情報を伝えられる・効果測定が難しい
・配布する費用がかかる
ビラ・コストを抑えやすい
・掲載場所を工夫すれば地域住民に見てもらいやすい
・効果測定が難しい
・見逃されて成果につながらない可能性が高い
フライヤー・一定ニーズがある人に情報を届けられる・効果測定が難しい
・デザインやレイアウト、紙質等にこだわらないと目に留まらない可能性がある

Web広告のメリット・デメリット

先ほどの章では、Web広告という大きなくくりでメリット・デメリットを説明しましたが、ここではWeb広告の種類を細かく区切って解説します。

メリットデメリット
ポータルサイト広告・明確なニーズがある人にアプローチできる
・サイトによっては他のWeb広告よりコストを抑えられる
・ターゲットが限定的になる可能性がある
・サイト選びを間違えると思ったような成果につながらない
リスティング広告・明確なニーズがある人にアプローチできる
・配信開始/停止が簡単にできる
・設定するキーワードによっては高額になる可能性がある
・潜在顧客にはアプローチできない
ディスプレイ広告・視覚的な要素で訴求しやすい
・潜在顧客の目にも留まりやすい
・CVにはつながりにくい
・画像やコピーなど要素が多いため、本質的な改善点を分析するのが難しい
SNS広告・制度の高いターゲティングができる
・情報の拡散性が高い
・炎上の可能性が他の広告よりも高い
・競合が多いためアピールの仕方を工夫しないと見てもらえない

Web広告の中でも、紙のアナログ広告のようにコストを抑えて宣伝をしたいなら、リスティング広告かポータルサイト広告がおすすめです。

すでに事業所周辺の住民に宣伝を行っている場合は、地域密着型のポータルサイトに広告を掲載することで、Web広告の配信の柔軟性や効果測定の正確さはありながら地域住民にフォーカスした集客ができます。紙でのPRに限界を感じている場合は、ポータルサイト広告をぜひ検討してみてください。

ポータルサイト広告とアナログ広告どちらを選ぶべき? 判断する基準

Web広告の中でも、紙と近いターゲティングで広告を打ちたいならポータルサイト広告がおすすめと説明しましたが、結局ポータルサイト広告とアナログ広告のどちらが自社に合っているのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
広告手法を選ぶための3つの基準を紹介するので、以下を参考に自社に合った方法を選びましょう。

性別や年齢ではなく特定地域に住む人をターゲットとしているか

広告の効果を高めるためには適切なターゲティングが重要です。広告の手法を考える前に、どのようなユーザーに自社のことを知ってほしいのか、サービスを利用してほしいのかを改めて整理してみてください。

広いターゲットに訴求できるという点でWeb広告は大きな強みがありますが、特にターゲットの居住地の要素が重要な場合は紙のアナログ広告という選択肢も出てきます。Web広告はWeb検索が習慣化している年齢層に偏ってしまうので、特定の地域のどんな年齢・性別の人でも見てほしいのであれば、チラシのポスティングやビラ掲示も検討してみても良いでしょう。

とはいえ、ポータルサイト広告でもキーワード設定などで特定の地域に住む人を具体的にターゲティングすることも可能です。事業所以外の場所に広告を出すことができるポータルサイトもあるので、居住地が重要で、かつアプローチ範囲を広げたいならWeb広告の中ではポータルサイト広告が適していると言えるでしょう。

視覚情報や紙ならではの特徴で宣伝効果を高めたいか

企業や店舗の情報をどのように伝えたいのかが明確にある場合は、表現方法によって広告手法を使い分けましょう。
たとえばイベントの情報を宣伝するために広告を出したい場合、一枚でイベントの趣旨や特徴、日時や会場などまですべて伝えたいなら紙の広告が適しています。しかし、ビラの掲示だと情報が多すぎると読み飛ばされる可能性もあるので、一枚ですべてを伝えることが悪手になることもあります。

紙質や紙だけの仕掛けを工夫したいならアナログ広告がおすすめですが、視覚情報(デザインやレイアウト)でアピールしたいならWebのディスプレイ広告でも可能です。バナー広告はデザインでユーザーの目を引いてクリックを促す広告なので、紙の広告ほど情報を詰め込むことはできませんがデザインは工夫できます。どのような工夫で宣伝効果を高めたいのかを明確にして、両者の良し悪しを判断しましょう。

かけられる予算が限られているか

ターゲティングと同様に、広告配信の予算も宣伝方法を決める大きな要素です。
かけられる予算が大きいのであれば、Web広告で複数のターゲットやキーワードに対して広告を出すことが可能な一方で、予算が小さい場合は成果に届く前に配信を終了せざるを得ない状況になる可能性もあります。

そのため、これまで紙の広告を経験したことがある場合は、同じ予算でWeb広告を始めても思った成果につながらないこともあります。ポータルサイト広告であればサイトによっては低予算から広告を出せるサイトもあるので、まずは低予算から始めて効果を見つつ予算を調整するのが良いでしょう。

まとめ:費用対効果を高めたいならWeb広告とチラシ・ビラ・フライヤーを組み合わせよう!

ここまで、Web広告と紙のチラシ・ビラ・フライヤーの広告手法のどちらが効果的なのかを解説してきました。しかし、企業の規模や予算、ターゲティングによってそれぞれ適切な広告手法は異なるので、一概にどちらのほうが適切かという判断は難しいと言えます。

そのため、すでに紙の広告を出していて、さらに費用対効果を高めたいのであれば、紙も継続しつつ低予算から始められるポータルサイト広告も並行して出稿するのがおすすめです。両者の良さを活かしつつ紙では訴求できない範囲までアプローチすることも可能なので、現状を維持しながら認知度向上にもつなげられるでしょう。

もし予算内でどのような割合で広告を運用すべきかわからないと不安な方は、ぜひNTTタウンページにご相談ください。NTTタウンページでは、「iタウンページ」という地域密着型のポータルサイトを運営しているので、ポータルサイト広告を活用した成果最大化をサポートいたします。
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