更新日:2025年9月

集客に力を入れたいと思っても、「そもそも何を改善したら良いかわからない」「今の社員リソースで新しい集客方法を試せるのか不安」などの悩みを抱えている工務店も多いのではないでしょうか。
せっかく集客を強化したいと思っても、効率的なやり方がわからないと無駄にコストがかかってしまう可能性もあります。
この記事では、工務店の効率的な集客をかなえる方法を紹介します。集客の段階ごとに具体的な施策を紹介するので、自社が今どの段階の集客で悩んでいるのかを踏まえたうえで参考にしてください。
工務店の集客でよくある悩み
まずは、工務店の集客で陥りやすい悩みについて説明します。自社の状況を客観視するためにも、この3点は確認しておきましょう。
新規顧客を獲得する方法がわからない
地域密着型の工務店の場合、特に集客課題として挙げられやすいのは新規顧客の獲得です。事業所周辺の住民や企業からいくつか依頼を受けられたとしても、そこからさらに顧客を広げていくためにはさまざまな集客施策を実施する必要があります。
どのようなお客さまに来てほしいかによって実施する施策は異なるため、方法を間違えてしまうとかけたコストに対して成果が見合わないという結果にもなりかねません。特に集客に力を入れ始めようとした工務店が陥りやすい悩みと言えます。
認知度が低く成約までつながらない
一口に集客と言ってもいくつかの段階があります。まず一段階目となるのが「認知」です。顧客の視点になるとわかりやすいですが、事業内容も知らないような会社に工事を頼もうとは思わないので、企業選びの選択肢に入るためにも知名度は重要なのです。
しかし、工務店は規模の大小が激しく、家族だけで経営しているような小規模な工務店も含めるとかなりの数の企業が存在します。そのため、いくら集客に力を入れてもこれら競合企業に埋もれてしまい、思ったより認知度が向上しないと悩む工務店も多くあります。
認知度が上がらないと成約までの道のりも険しくなるので、結果的に成果が上がらなくなってしまうのです。
集客を担当できる社員がいない
小規模な工務店によくある悩みとして、そもそも集客にそこまでリソースを割くことができないということも挙げられます。他の仕事で手一杯で、より多くの人にアプローチをしたくても現実的に作業ができないのです。
この場合は新規顧客を獲得しても対応できない可能性もあるので、そもそもこのような状態で新規顧客を獲得すべきなのかという点も議論が必要です。地方の小さな工務店なら、多くのビジネスオーナーさまが直面する問題の一つと言えます。
工務店の集客を成功させるための3つのポイント
具体的な集客施策を紹介する前に、ここでは工務店の集客を成功させるために前提として知っておいてほしい3つのポイントを説明します。
この3点を見落とすとせっかく施策を打っても成果につながらない可能性もあるので、しっかり理解しておきましょう。
オンラインとオフラインの両輪で集客を強化する
近年、集客の方法はどんどんWebに切り替わっています。ホームページでの集客やSNS集客などが普及し、Webの柔軟性やアプローチ範囲の広さというメリットを活用した効率的な集客が一般的になってきました。
しかし、工務店の集客の場合は、Web集客だけで成功できるかと言ったらそうではありません。オンラインとオフラインの集客をうまく組み合わせることで、相乗効果を生み出すことも可能です。そのため、「Web集客が絶対に優勢である」と決めつけない意識が重要になります。
集客までのプロセスを明確にして施策を打つ
集客をするためにはいくつか段階を踏む必要があると説明しましたが、どの段階のユーザーを増やしたいかを明確にしないと、想定した成果につながらない場合があります。
たとえば、認知度を高めたいと考えている工務店が、必死に自社ホームページの問い合わせ導線を改善しても認知度の向上にはつながりません。なぜならホームページの内部をいくら改善しても、ホームページがユーザーの目に触れなければ認知拡大にはつながらないためです。
もし認知拡大という観点でホームページを改善するなら、ホームページで狙いたいキーワードを設定し直したり、会社名以外の検索でもホームページにたどり着くようにコンテンツを増やしたりなどの施策が考えられます。
このように、集客のプロセスの中で強化したい部分を明確にすることで、適切に成果につなげることができます。
社員の労力と効果が釣り合うような集客施策を選ぶ
よくある悩みでも社員のリソースが足りないという問題を取り上げましたが、新しい集客施策を考える際は、社員の時間をどれくらい使うのか、そしてその使った時間に見合う成果につながる可能性があるのかをしっかり考える必要があります。
社員の時間をたくさん使ったのに新規顧客の獲得につながらないと、既存顧客の対応に同じ時間を割いたほうが会社としての利益になるケースもあります。施策にかかる時間とお金の両方のコストパフォーマンスが高い方法を選ぶようにしましょう。
工務店の集客を強化するための3ステップ
前述の通り、工務店の集客を強化するためにはいくつかの段階があります。ここでは契約をゴールとした場合の集客の3ステップを紹介します。
どの段階の集客を強化したいのかで施策は変わるため、ここでしっかり見極めておきましょう。
①自社を知ってもらう
最初はお客さまに自社の名前や事業を知ってもらう段階です。自社のことを認識してもらわないと、検討の選択肢にも入ることができないため、より多くの方に自社の工務店のことを知ってもらうことが集客の一段階目になります。
この段階では、いかに名前を売るかが重要なので、インパクトの大きい情報や自社が強みとしてアピールしたい情報を目立たせて、広いターゲットに対して訴求できるような集客施策を選びましょう。
②比較・検討のために問い合わせをしてもらう
自社の工務店について知ってもらえたら、次は他の工務店と比較される段階に入ります。かかる費用やこだわり、実績、スタッフの対応など、お客さまによって重視する観点は異なるので、ターゲットとなる顧客がどの点を重視するかを細かく分析してアピールポイントを探りましょう。
ホームページより深い情報が知りたいユーザーはこの段階で問い合わせをするため、問い合わせ後の対応も明確に定めておきましょう。
③契約してもらう
問い合わせを経たとしても、すぐに契約までつなげられるお客さまは多くありません。問い合わせで得た詳しい情報を元に、再度他社と検討して、どの工務店が一番理想に近いのかを検討します。
そのため、問い合わせの際に得た顧客情報をもとに、自社の印象が薄れないための施策を打ち続ける必要があります。お客さまとの接点を適度に持ち続けることで自社への信頼度が高まり、最終的には契約につなげられるでしょう。
工務店を知ってもらうための集客施策4選
ここからは、集客のステップ別に具体的な施策を紹介します。認知を拡大するための施策はさまざまなアプローチがあるので、自社で実現できそうな施策を選びましょう。
ホームページを制作する
Webでの集客が主流になってきた現代では、ホームページを持っていることは当たり前になってきています。むしろホームページを持っていないことがユーザーからのマイナス印象になる可能性も高くなってきているため、集客を強化したいと考えているなら、まずは簡易的なものからでもホームページ制作を進めましょう。
ホームページは24時間365日、営業時間内外は関係なく自社をアピールできるツールです。特に工務店の場合、施工実績を見て判断したいというユーザーも多いので、ユーザーが見たいと思ったタイミングでいつでもほしい情報が手に入るという状況を作ることができます。
制作のための初期費用などでハードルが高いと考えるビジネスオーナーさまも多いかもしれませんが、長期的な集客ツールとして効果を発揮しやすいため、まずは簡単なホームページから検討してみてください。
地元住民にアプローチできるポータルサイトへ掲載する
ホームページ制作は難しそうで手が出せないという工務店の方は、企業の情報を掲載して集客できるポータルサイトへ掲載するのもおすすめです。
ポータルサイトの仕様によってどのような情報を掲載できるのかは異なりますが、屋号・営業時間・住所などの基本情報に加えて、建設へのこだわりや施工実績なども載せられるポータルサイトもあるので、ホームページ代わりに活用することもできるでしょう。
特に地元住民にアプローチしたい人は、地域密着型のポータルサイトがおすすめです。事業所の周辺地域や検索キーワードに対応して自社の情報をユーザーに表示してくれるので、今までアプローチできなかったユーザーにも自社の情報を届けられます。
掲載料は一定かかるケースが多いですが、ホームページ制作に比べると安価な場合が多いので、いきなり高い予算をかけるのは不安という方はポータルサイトへの掲載がおすすめです。
MEO対策をする
MEOとは「Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)」のことで、Googleマップのような地図アプリで自社の情報を多くの人に表示させるための対策を表します。適切にMEO対策をすることで、地図アプリでキーワード検索をしたユーザーに対して、自社の情報をアピールすることができるのです。
MEO対策の中でも気軽に始められるものとして、Googleビジネスプロフィールの登録があります。Googleビジネスプロフィールに企業や店舗の営業時間・住所・写真などを登録することで、Googleマップを使用しているユーザーに正しい店舗情報を共有することができます。口コミも管理できるので、良い口コミを集めれば店舗への集客にも直結するでしょう。
登録自体は簡単にできますが、口コミの確認・返信も含めた定期的な更新が必要になるので、運用体制は事前に整備しておく必要があります。
チラシ配布やビラ掲載を行う
Webでの集客方法以外にも、認知度を上げる集客方法としてはチラシ配布とビラ掲載もおすすめです。工務店の場合は事業所周辺の住民への認知度向上が重要なので、チラシのポスティングや街中へのビラ掲載、公共施設へのチラシ配布など、地元住民の目に留まる回数を増やせる工夫をしましょう。
1回でしっかりビラやチラシを見てもらえなかったとしても、何度も目に留まることで本当に困ったときに工務店の名前を思い出してもらえる可能性もあります。長期的な集客施策にはなりますが、Web集客と並行してオフラインの施策も試してみてください。
工務店に問い合わせをしてもらうための集客施策2選
認知度向上のための施策をいくつか実施したら、認知してもらったユーザーが自社での工事や建設を依頼してもらえるように、情報を知りたいと思わせる施策を打ちましょう。ここでは問い合わせにつなげるための2つの施策を紹介します。
ホームページの問い合わせ導線を見直す
先ほどホームページはWeb集客のために重要なツールと説明しましたが、ただ情報を載せただけでは思ったより問い合わせにつながらないというケースもあります。認知度を高めるという意味でのホームページの活用方法に加えて、この段階では問い合わせをしてもらうための工夫も考える必要があるのです。
たとえば、サービスの料金についてもっと詳しく知りたいと思ったユーザーがいたとします。その場合問い合わせの窓口をホームページ内で探すことになりますが、数ページ開いて問い合わせ窓口が見つからないと、「問い合わせできないなら他社でいいや」とページから離脱してしまう可能性があります。
このように、ホームページの中の問い合わせ導線をわかりやすくしないと大きな機会損失になるので、検討ユーザーを逃さないためにも、だれが見てもわかりやすい導線設計を心がけましょう。
SNSで自社の強みを宣伝する
ホームページでの集客以外にも、SNSでも集客を強化することも可能です。SNSは認知度を上げるための施策というイメージもあるかもしれませんが、社員の働く姿や工務店としてのこだわりなどを発信することで、問い合わせを誘発することもできます。
ホームページには載せられないようなリアルな情報を載せることでファンを作り、「この会社なら信頼できる」という印象を持ってもらうことで問い合わせにもつながるでしょう。
しかし、SNSを活用する企業は増えてきているので、ほかの工務店の情報に埋もれないような工夫が必要です。一定のフォロワーを獲得するのにも時間はかかるので長期的な集客施策だと認識して、定期的な更新を心がけましょう。
自社と契約してもらうための集客施策2選
問い合わせをするほどの確度の高いユーザーを逃さないために、最後まで丁寧にケアをして契約までつなげましょう。問い合わせからの契約率がどうしても上がらないという工務店は、以下を参考にして信頼度を高められるような施策を実施してみてください。
メールマガジンでお得な情報を発信する
メールマガジンは、過去に何か接点を持ったことがあるお客さまに対して、自社の最新情報やお役立ち情報を配信して関係性を構築するマーケティング手法です。お客さまが求める情報やお得なクーポンなどを配信することで、見込み客の契約率を引き上げることにつながります。
件名や本文、使用する画像などによって、開封率や問い合わせボタンのクリック率のPDCAを回しやすい手法なので、継続的に改善することで契約率の向上にも影響を与えるでしょう。
コピーライティングやデザインのようなスキルも必要になる手法なので、他社のメールマガジンを参考にしながら作成してみてください。
展覧会やイベントに招待する
メールマガジンと同様に、過去に接点があったお客さまに対して自社で開催するイベントや展覧会に招待して関係性を深める方法もあります。メールやDMなどだけではなく、対面で会話ができるイベントでお客さまと接点を持つことで、自社の強みをよりわかりやすく伝えられるでしょう。
しかし、対面のイベントだと参加するハードルも高くなってしまうので、そもそも人を集めることが難しいという課題もあります。お客さまが対面でも参加したいと感じるイベントトピックを用意する必要があるので、まずは合同でいくつかの工務店が参加できるイベントへの出展から始めてみましょう。
工務店の集客をもっと強化するために意識してほしい3つのコツ
これまでの内容で具体的な集客方法がわかった方に向けて、最後に集客施策の効果をもっと高めるために意識してほしいポイントを紹介します。
①常に改善する姿勢で費用対効果を高める
Webで実施できる集客施策のメリットは、効果測定が細かく正確に行える点と改善スピードが速い点です。そのため、常に改善する姿勢を持って、効果が最大化できる方法を考えるようにしましょう。
特に問い合わせ導線の整備やメールマガジンなどは、改善を繰り返すことで成果に直結しやすい要素です。実施した施策に対して、ユーザーがどのような反応をしたのかを細かく分析して、費用対効果を高めていきましょう。
②自社のブランディングと集客効果のバランスを意識する
集客効果を高めたいと考えて、とにかく集客効率が高い施策を試そうと考えている方もいるかもしれませんが、工務店によってどのような集客施策と相性が良いのかは少しずつ異なります。
ホームページを新しく公開するなどであれば、どんな工務店でも一定集客効果は高まるかもしれませんが、SNS集客と相性が良いのか、対面でのイベントと相性が良いのかは、それぞれの工務店の強みによって変わります。そのため、「他社がやっているから」という理由だけで施策を選ばず、自社に合った集客施策を選ぶようにしましょう。
③リピーターを増やすための集客施策も実施する
ここまで新規顧客を獲得するための施策を紹介してきましたが、集客施策は新規顧客をターゲットにするものだけではありません。これまで自社で建設を依頼してくれたお客さまにリピーターになってもらうような施策や、自社のサービスを知り合いに紹介してもらうための施策など、既存のお客さまに向けた施策もたくさんあります。
新規を開拓していくことももちろん大切ですが、既存のお客さまの満足度を高めて関係性を続けてもらえるような施策も定期的に実施するようにしましょう。
まとめ
工務店において、集客を強化するための具体的な施策を紹介しました。認知拡大、問い合わせ獲得、契約という3つのステップに分けて紹介したので、自社がどこの集客でつまづいているのかを明確にしたうえで、自社に合う施策を見極めて実施してみてください。
とはいえ、まずどのような集客施策から始めたら良いかわからないというビジネスオーナーさまは、NTTタウンページにご相談ください。地元住民にアプローチしたい工務店であれば、記事の中でも紹介したポータルサイト広告から始めるのがおすすめです。
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