歯科広告で守るべき医療広告ガイドライン|媒体の選定方法と費用相場

最終更新:2026年9月

歯科広告で守るべき医療広告ガイドライン|媒体の選定方法と費用相場

歯科を含む医療広告は医療広告ガイドラインで細かく規制され、自院で運営するWebサイトも対象に含まれます。そのため、広告のルールがわかりにくく、出稿を迷っている歯科医院の方もいるのではないでしょうか。知らずに違反すると行政指導や罰則につながる場合があるため注意が必要です。
この記事では、規制の全体像から掲載できる内容、禁止表現、限定解除の条件、媒体ごとの費用相場、目的別の選び方までを順に解説します。

目次

  1. 歯科広告の基本|医療広告ガイドラインとは
    1. どこからが広告とみなされる?
    2. 歯科の広告規制が厳しい理由
  2. 歯科医院が広告に掲載できる内容【広告可能事項】
    1. 歯科医師・診療科名・名称・連絡先
    2. 診療時間・予約・保険医療機関の指定
    3. 施設設備・医療従事者・治療の方法や内容
  3. 歯科の広告で禁止されている表現と避けたい例
    1. 虚偽広告
    2. 比較優良広告
    3. 誇大広告
    4. 公序良俗に反する広告
    5. 広告可能事項以外の専門性や治療法等の内容
    6. 患者の主観に基づく治療効果の体験談
    7. 誤認を招くビフォーアフター写真
    8. 品位を損なう内容(割引・キャンペーンの過度な強調)
  4. 医療広告ガイドラインの限定解除と要件
    1. 限定解除が認められる4つの要件
    2. 審美・矯正など自由診療での限定解除と注意点
  5. 歯科広告でガイドラインに違反するとどうなる?
  6. 歯科医院に使えるオンライン広告5選と費用目安
    1. ポータルサイト掲載
    2. Googleマップ広告(ローカル検索広告)
    3. リスティング広告
    4. ディスプレイ広告
    5. SNS広告
  7. 歯科医院に使えるオフライン広告3選と費用目安
    1. チラシ・折り込み
    2. 屋外広告
    3. 交通広告
  8. 【目的別】歯科医院に合う広告の選び方
    1. 受診先を探している層に情報を届けたい:リスティング広告×Googleマップ広告
    2. 地域での認知を広げたい:交通広告×屋外広告
    3. 審美目的の治療や保険適用外の矯正治療を案内したい:SNS広告×リスティング広告
  9. 歯科広告を運用する際に押さえたい3つのポイント
    1. 医療広告ガイドラインに準拠した情報発信を行う
    2. 症例写真は費用やリスクも含めた詳細説明付きで見せる
    3. 指名・地図検索から予約につながる導線を整える
  10. 歯科の広告に関するよくある質問
  11. まとめ

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歯科広告の基本|医療広告ガイドラインとは

歯科広告の基本|医療広告ガイドラインとは

歯科広告は、医療広告ガイドラインのルールに従って出す必要があります。医療広告に該当するかは、主に「誘引性」と「特定性」の有無などを踏まえて判断されます。
まずは自院の発信が要件に当てはまっているか確認しておきましょう。

  • 誘引性:患者さまを集める意図があること
  • 特定性:医療機関を特定できること
  • 医業・歯科医業、または病院・診療所に関する内容であること

※参考:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」

どこからが広告とみなされる?

広告に当たるのは、先ほど紹介した3要件をすべて満たす発信です。チラシや看板はもちろん、自院サイトやポータルサイトも医療広告規制の対象となりますが、ウェブサイトには一定条件下で限定解除の考え方があります(「医療広告ガイドラインの限定解除と要件」で解説)。

第三者が自発的に投稿した口コミや体験談は原則として広告に該当しませんが、医療機関からの依頼や金銭等の謝礼、投稿者と医療機関との関係などにより、医療機関の利益を目的とした投稿と認められる場合は、広告として扱われることがあります。

歯科の広告規制が厳しい理由

歯科の広告は治療の内容が専門的で、患者が広告の正しさを自分で判断しにくいため、他の業界と比較しても広告規制が厳しくなっています。
特に自由診療は費用も高額になりやすく、誤解を招く表現は厳しく規制されています。歯科広告を出す際は、誠実に、そして誇張を避けた訴求が大切です。

歯科医院が広告に掲載できる内容【広告可能事項】

歯科医院が広告に出せる内容は、法令で認められた広告可能事項に限られます。
歯科では、次の16のカテゴリが基本の枠組みになります。その中でも多くの歯科医院で該当する可能性が高い歯科医院や歯科医に関する基本情報の項目を詳しく解説します。

  1. 医師、または歯科医師である旨
  2. 診療科名(歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科)
  3. 名称・電話番号・所在地・管理者(院長)の氏名
  4. 診療日・診療時間・予約診療の有無
  5. 法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院・診療所、医師・歯科医師である旨
  6. 医師少数区域などでの医療提供の経験について厚生労働大臣の認定を受けた医師である旨
  7. 地域医療連携推進法人に参加している旨
  8. 施設・設備、在籍する歯科医師・歯科衛生士などの人数
  9. 医療従事者の氏名・経歴・役職など
  10. 相談に応じる体制・医療安全の体制・個人情報の適正な取り扱い・患者満足度調査など
  11. 紹介できる他の医療機関や連携先
  12. 診療情報の提供など、医療に関する情報提供の体制
  13. 提供する検査・治療の方法や内容
  14. 平均通院日数・患者数など、定められた範囲の医療提供の結果
  15. オンライン診療を行う場合はその旨と内容
  16. その他、厚生労働大臣が定める事項(ホームページ・メールアドレス、費用、予約方法・待ち時間、健康診査・保健指導・予防接種の実施など)

※参考:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」

歯科医師・診療科名・名称・連絡先

院名や連絡先、歯科医師であるという情報は、基本情報として広告に出すことができます。

歯科医院が診療科名として広告できる名称には、「歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科」があります。法令に根拠のない名称は、診療科名として広告できない決まりです。「審美歯科」「インプラント科」は、法令に根拠のない名称の例として、現在診療科名としての広告は認められていません。
看板や自院サイトの科名表示も、この4つの診療科名範囲に限られます。

診療時間・予約・保険医療機関の指定

診療日・診療時間や予約の有無も広告に出すことができます。診療時間は曜日ごとに正確に示し、休診日もあわせて記載する必要があります。オンライン予約や電話予約の有無も記載可能で、来院前の不安を減らす情報になります。
患者が迷わず来院できるよう、連絡先とあわせて整理しておくことが望ましいでしょう。

また、保険医療機関のような法令の規定に基づいて指定を受けた病院や歯科医である場合は、その情報を広告に記載することも可能です。

施設設備・医療従事者・治療の方法や内容

設備や在籍する医療従事者、治療の方法や内容も、一定の範囲で広告できます。専門医の表示は、「歯科医師○○○○(日本歯科専門医機構認定○○専門歯科医)」のように認定を受けた団体名を明記した形式でのみ認められます。「矯正の専門医」とだけ書く形は認められません。

在籍する歯科医師の氏名や略歴も一定広告に記載できるため、自院の強みを示す情報としてガイドラインを守ってアピールしましょう。

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歯科の広告で禁止されている表現と避けたい例

禁止される表現には、主に以下8つの類型があります。

禁止類型禁止表現具体例
虚偽広告事実と異なる内容「絶対に痛くない」「一日ですべての治療が終わる」
比較優良広告他院より優れると示す「地域で一番の技術」
誇大広告誤認させる誇張「どんな症例にも必ず対応する」
公序良俗に反する広告品位を欠く内容わいせつ・残虐・差別を助長する表現
広告可能事項以外の内容認められない専門性や治療法独自の呼称を使った治療名
患者の主観に基づく体験談効果を示す口コミの掲載「ここで人生が変わりました」
ビフォーアフター写真誤認を招く術前術後説明を付さない術前術後の写真
品位を損なう内容過度な割引・キャンペーン強調「期間限定で半額」「治療し放題プラン」

※参考:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」

虚偽広告

虚偽広告は、事実と異なる内容を示す広告です。たとえば「絶対安全」「必ず成功」などの断定は、医学上あり得ない内容として虚偽広告と判断されます。
また、加工や修正をした術前術後の写真も虚偽広告に当たります。表現に迷ったら、客観的な事実だけを載せる姿勢が望ましいです。

例・「どんなに難しい症例でも必ず成功します」
・厚生労働省の認可した○○専門医(専門医の資格認定は厚生労働省の認可ではない)
・「〇%の満足度」(根拠・調査方法の提示がないもの)

比較優良広告

比較優良広告は、他院より優れていると示す表現です。具体的には、「地域で一番」といった最上級の言い回しは、裏づけがあっても認められません。
他院との優劣ではなく、提供している治療や体制などの事実だけを記載して、自院の強みを表現しましょう。

例・「当院は県内一の医師数を誇ります。」
・「本グループは全国に展開し、最高の医療を広く国民に提供しております。」
・「著名人も○○医師を推薦しています」

誇大広告

誇大広告は、実際よりよく見せて誤認させる表現です。「痛みゼロ」「どんな歯も残せる」などは利用者にとって魅力的にうつる表現ですが、治療効果を断定し、実際以上に優良と受け取られるおそれのある表現は虚偽広告や誇大広告に該当する可能性があります。
また、治療結果には個人差があるため、断定的な表現は避けましょう。数値を用いる場合に、出典を明記することも忘れないでください。

例・「知事の許可を取得した病院です!」(「許可」を強調表示する事例)
※病院が都道府県知事の許可を得て開設することは当然であるが、あたかも特別な許可を得た病院であるかのような見せ方をする場合
・「○○学会認定医」(活動実態のない団体による認定)

公序良俗に反する広告

公序良俗に反する広告は、品位や社会常識を欠く内容です。
わいせつな表現や、残虐・差別を助長する表現が該当します。患者が内容を適切に理解できる、客観的で節度ある言葉づかいを心がけることが重要です。医療機関としての品位を損なわない表現を用いることが求められます。

広告可能事項以外の専門性や治療法等の内容

広告可能事項に含まれない専門性や治療法は原則として広告できません。認められていない科名や、独自の呼称を使った治療名は避けましょう。
ただし、後述の限定解除の要件を満たせば治療内容を示せる場合があります。まず広告可能事項の範囲に収まっているかを確認してください。

例・死亡率、術後生存率等の記載
・未承認医薬品(海外の医薬品やいわゆる健康食品等)による治療の内容

患者の主観に基づく治療効果の体験談

治療効果を示す患者の体験談は広告に掲載できません。そのため、医療機関が自院サイト等に患者の主観に基づく治療効果の体験談を掲載することは禁止されています。
第三者が自発的に投稿した口コミは原則として広告に該当しないとされていますが、医療機関の依頼や謝礼、関係者による投稿など、医療機関の利益を目的としたものと認められる場合は、広告として扱われることがあります。

誤認を招くビフォーアフター写真

治療効果を誤認させる術前術後の写真は掲載が制限されます。加工や修正をした写真は、それ自体が虚偽広告に当たります。
なお、院長やスタッフの写真は、治療効果を示すものではなく、虚偽・誇大表示などに該当しない範囲で掲載を検討できます。もし患者の術前術後写真を掲載したい場合は、治療内容・費用・主なリスクや副作用等の詳細な説明と、限定解除要件の確認が必要です。

品位を損なう内容(割引・キャンペーンの過度な強調)

割引やキャンペーンを過度に強調する広告は品位を損なう内容とされます。「半額」「大幅値引き」といった価格の強調は避けてください。費用を示すこと自体は可能なため、事実に基づく料金を、適用条件や税込・税抜の区分とともに明示することが望ましいでしょう。
価格訴求を過度に強調せず、治療内容や費用条件を客観的に説明することが求められます。

例・今なら○○円でキャンペーン実施中!
・「期間限定で○○療法を 50%オフで提供しています」

医療広告ガイドラインの限定解除と要件

医療広告ガイドラインの限定解除と要件

限定解除とは、所定の要件を満たす場合に、通常の広告可能事項以外の内容も広告できる仕組みです。ここでは、限定解除とその要件を解説します。

※参考:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」

限定解除が認められる4つの要件

限定解除には、次の4つの要件があります。

  1. Webサイトなど、患者さまが自ら求めて入手する情報であること
  2. 患者が情報を簡単に紹介できるように問い合わせ先を明示すること
  3. 自由診療は治療の内容と費用を示すこと
  4. 自由診療はリスクや副作用を示すこと

(1)に関しては、自ら情報を探すものとしてWebサイトやメールマガジン、パンフレットなどは該当しますが、バナー広告やリスティング広告のような意図せずに表示されうる広告手法は限定解除の対象外とされています。
掲載する内容が要件を満たしているかを、出稿前に細かく確認しておきましょう。

審美・矯正など自由診療での限定解除と注意点

審美や矯正などの自由診療で治療内容を広告する際は、限定解除が認められる可能性があります。治療内容と費用に加え、想定されるリスクや副作用も具体的かつわかりやすく示す必要があります。
また、未承認の医薬品や機器を使う自由診療では、以下の要件を追加で広告に記載するよう求められます。

  • 未承認である旨
  • 入手経路
  • 国内承認品の有無
  • 諸外国での安全性
  • 救済制度の対象外である点の明示

自由診療の情報を出す前に、これらの項目がそろっているかを必ず確認してください。

歯科広告でガイドラインに違反するとどうなる?

ガイドラインに違反すると、指導から罰則まで以下のように段階的な対応が取られます。

段階内容
行政指導中止や是正の指導が入る
命令指導に従わない場合は報告命令または立入検査、そして中止・是正命令が出る
告発命令違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(医療法第87条第1号)
重い処分悪質な場合は管理者変更命令や開設許可の取消・閉鎖(法第28条・第29条第1項)

※参考:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」

虚偽広告は、中止命令などを経ずに直ちに罰則の対象となる場合があります(直罰)。 報告命令などに違反した場合は、20万円以下の罰金が定められています(法第89条第2号)。

なお、医療広告規制の対象は開設者や管理者に限らず、広告代理店やアフィリエイターなども含まれるのが特徴です。行政指導に従わず、中止命令や是正命令、刑事告発などが行われた際は、原則として事例が公表されます。日ごろからの遵守が求められます。

歯科医院に使えるオンライン広告5選と費用目安

ここまで歯科医院の医療広告ガイドラインについて紹介してきて、おおまかに記載して良い内容と規則違反の内容を理解できたかと思います。そのため、ここからは実際に広告を出す具体的な手法について紹介していきます。

広告手法にはオンラインとオフラインでの手法があり、オンライン広告は地域で歯科を探す患者に届きやすいという特徴がありますが、媒体ごとに費用も得意な役割も異なります。まずは歯科医院に使えるオンライン広告手法を5つ紹介します。

媒体費用目安期待できる反応
ポータルサイト掲載月550円から
※iタウンページの場合
地域の検索・比較で見つけてもらいやすくなる
Googleマップ広告(ローカル検索広告)月数万円程度地図・地域検索から来院の後押しにつながる可能性がある
リスティング広告月数万円から10万円程度受診先を検索している層への情報提示
ディスプレイ広告月20万円から50万円程度潜在層への認知と再訪の促進
SNS広告月数万円から50万円程度認知の拡大と自由診療の訴求

※2026年7月 NTTタウンページ調べ。費用は各媒体の公表料金・一般的な相場をもとにした税抜の目安です。地域や診療内容、出稿条件等により大きく異なる場合があります。

なお、前述の通りでリスティングやバナー(ディスプレイ)などの広告そのものには、限定解除は使えません。限定解除は「患者さまが自ら求めて見に行く情報」にしか認められず、これらの広告表示はこれに当たらないためです。SNSの運用型広告も、同様に限定解除の対象外と考えられます。ただし、広告から遷移した先のウェブサイトは、要件を満たせば限定解除の対象になり得ます。

そのため、広告の文面は広告可能事項の範囲にとどめ、治療内容などの詳しい情報はリンク先の自院サイトで示しましょう。自院サイトは限定解除の要件を満たせば、治療内容も掲載可能です。

ポータルサイト掲載

ポータルサイト掲載は、Web検索で「地域名×歯科」や診療内容から歯科医院を探す患者さまに、自院を見つけてもらうための手段の一つです。

歯科向けのポータルサイトには、無料で登録できる基本枠から、月数万円の有料プランまで幅があります。患者が受診先を比較検討する場に情報を載せておくことで、認知の入り口を増やせます。まずは無料枠で登録し、反応を見ながら有料プランを検討する進め方が現実的です。

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※画像はイメージです

※iタウンページは、日本の民営事業所数516万事業所(2021年6月現在)を上回る網羅性の高い掲載を行っております。日本の民営事業所数は、総務省統計局サイト(https://www.stat.go.jp)を参照

Googleマップ広告(ローカル検索広告)

Googleマップ広告(ローカル検索広告)は、地図や地域検索の結果で自院の情報を上位に表示できる有料の広告です。
クリックごとに費用がかかり、1クリック50〜1,000円程度が目安と言われています。近隣で歯科医院を検索している方に、地図や地域検索の結果を通じて情報を表示できる点が特徴です。

この広告を出すには、まず無料のGoogleビジネスプロフィールを整備して、自院の情報が正しくマップ上に表示されるようにする必要があります。そのため、まずは無料で登録し、必要に応じて有料広告も検討してみてください。

リスティング広告

リスティング広告は、検索結果の上部に「スポンサー」として表示される広告です。「〇〇市 歯科」「〇〇市 インプラント」など、事前に設定したキーワードで検索した患者に表示できるため、受診先を具体的に検討している層に、キーワードに応じた情報を表示できる手法です。

クリック単価は歯科では1クリック100〜1,000円程度が目安で、インプラントや矯正など自由診療のキーワードほど高くなる傾向があります。ただし、広告文には限定解除が使えないため、表現は広告可能事項の範囲にとどめる必要があります。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、アプリやWebサイトの広告枠に表示される広告です。リスティング広告が主にテキストで表示される※のに対し、ディスプレイ広告は画像や動画を中心に表示できます。医院の外観や院内の雰囲気を写真・動画で伝えられるため、まだ自院を知らない患者への認知に向いています。

ディスプレイ広告も、リスティング広告同様に限定解除が使えないため、ルールに沿った表現で運用する必要があります。

※リスティング広告では画像を添える「画像アセット」も利用可能です

SNS広告

SNS広告は、InstagramやFacebookなどに表示できる広告です。
年代・地域・興味関心などでターゲットを絞って配信できるため、たとえば「近隣に住む子育て世代へ小児歯科を」「美容に関心がある層へホワイトニングや矯正を」といった届け方ができます。写真や動画で医院の雰囲気を伝えやすいのも特徴です。

特に審美・矯正など見た目に関わる自由診療に活用される一方で、SNS広告の枠でも限定解除は使えないため、ビフォーアフター写真や患者さまの体験談は広告に載せることはできません。こうした詳しい情報は、広告のリンク先である自院サイトで示しましょう。

歯科医院に使えるオフライン広告3選と費用目安

オフライン広告は、商圏の住民に地道に認知を広げたいときに役立ちます。まず媒体ごとの費用相場と期待できる効果を紹介します。
オフライン広告でもすべて医療広告ガイドラインの対象になるため、内容と条例の両面を確認する必要があります。

媒体費用目安期待できる反応
チラシ・折り込み1枚数円から10円程度
※別途制作費
商圏の世帯へ直接届ける
屋外広告月数万円から30万円程度通行者への継続的な認知
交通広告月数万円から30万円程度沿線・駅利用者への広い接触

※2026年7月 NTTタウンページ調べ。費用は各媒体の公表料金・一般的な相場をもとにした税抜の目安です。実際の料金・税区分・空き枠は各媒体の最新情報でご確認ください。

チラシ・折り込み

チラシ・折り込みは、ポスティングや新聞折り込みなどの紙媒体で自院を宣伝する方法です。
歯科医院の場合、診療内容や診療時間、アクセス方法、院内の雰囲気などを近隣住民に広く伝えて集患につなげたいケースが多いため、1枚の紙で多くの情報を伝えられるチラシや折り込みは選択肢の一つと言えます。

また、自宅や職場から通いやすい歯科を探す人に届きやすく、新規開院やリニューアル、矯正歯科・小児歯科・予防歯科などの認知拡大にも活用できるでしょう。

屋外広告

屋外広告は、通行者へ繰り返しアプローチできる看板型の広告です。
野立て看板やLED看板、屋上看板など種類もさまざまです。前を通る度に何度も目に入るため、記憶に残りやすい特徴もあります。医院周辺の交通量や来院動線を踏まえて、設置場所を検討するとよいでしょう。

道路沿いや店舗周辺、駅前など人目につきやすい場所に設置すれば、車や徒歩で移動する人に届けられます。

交通広告

交通広告は、電車や駅を使う人へ広く接触できる手段です。電車やバスの中吊りやポスターなど、多種多様な種類がありますが、交通機関を使う際に自然に目に入りやすいため、地域の方に知ってもらえるきっかけになります。

駅の近くで通いやすいという点が強みとなるような沿線を商圏とする歯科医院では、検討対象となる広告手段の一つです。

【目的別】歯科医院に合う広告の選び方

【目的別】歯科医院に合う広告の選び方

広告は、目的に合わせて複数を組み合わせると効果を高めやすくなります。ここでは、目的別に歯科医院へおすすめの組み合わせを解説します。

受診先を探している層に情報を届けたい:リスティング広告×Googleマップ広告

新規患者との接点を増やしたい場合は、リスティング広告とGoogleマップ広告の組み合わせが選択肢になります。受診先を検索している方と、現在地周辺で探している方の双方に情報を伝えられる広告手段と言えます。

相乗効果ポイント
検索結果と地図検索の双方に情報を表示できる異なる検索経路を利用する方に情報を提示できる
検索で知った人が場所や診療時間を確認して来院しやすいリスティング広告で自院を見つけた人が、地図表示や口コミ・営業時間も見て、来院を判断しやすくなる

地域での認知を広げたい:交通広告×屋外広告

地域での認知を広げたい場合は、交通広告と屋外広告を組み合わせて、地域住民の目に触れさせるという手法もあります。設置場所や利用者層によっては、同じ地域の方が複数回目にする可能性があります。
まずは自院のことを覚えてもらい、地域での認知向上を図りたい場合の選択肢となるでしょう。

相乗効果ポイント
同じ人の目に何度も入る通勤・通学で交通広告を見た人が、屋外広告も見かけ、目に入る回数が増える
届く相手の範囲が広がる交通広告で電車・駅の利用者に、屋外広告で徒歩や車で移動する人に届き、片方では届かない層もカバーできる

審美目的の治療や保険適用外の矯正治療を案内したい:SNS広告×リスティング広告

審美や矯正など自由診療を伸ばしたい場合は、SNS広告とリスティング広告の組み合わせが適している可能性があります。興味を持ってもらう段階と、検討している段階の両方に働きかけられます。
前述の通り、自由診療の場合は自院サイトで費用とリスク・副作用を丁寧に示す必要があるため、ホームページを整備してから広告の準備を始めましょう。

相乗効果ポイント
興味づけから検討段階までカバーできるSNS広告で治療内容に興味を持ってもらい、リスティング広告で費用や方法を調べる検討層を受け止められる
SNSで知った人を後日の検索でも捉えられるSNS広告で自院を知った人が後から「地域名 矯正」などと検索したときに、リスティング広告で再び見つけてもらえる

歯科広告を運用する際に押さえたい3つのポイント

歯科の広告効果を高める3つのコツ

最後に、歯科の広告で反応を高めるポイントを解説します。

※参考:厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」

医療広告ガイドラインに準拠した情報発信を行う

ガイドラインに沿って治療内容や費用、リスクなどを事実に基づいて伝えることは、患者さまが安心して受診先を検討するための判断材料になります。
患者さまに正しく情報を届けるためにも、ガイドラインに準拠した発信を心がけましょう。特に気をつけたいNG表現とその言い換え例は次のとおりです。

ありがちなNG表現OKな言い換え例
「必ず治る」「症状により治療の方法や期間は異なります」
「地域で一番の技術」「歯科医師〇〇〇〇(認定団体名・資格名)」
「期間限定で半額」「〇〇治療の費用は〇〇円(税込)です」

また、自院の診療内容に合わせて、以下のような広告出稿前にチェックすべきリストを作成しておくと、漏れがなく広告を発信できるでしょう。

  • 診療科名は歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科の範囲か
  • 最上級や比較を示す表現が入っていないか
  • 患者さまの体験談や加工写真を使っていないか
  • 自由診療は費用とリスク・副作用を示しているか
  • 問い合わせ先を明示しているか

症例写真は費用やリスクも含めた詳細説明付きで見せる

症例写真は、限定解除の要件を満たしたうえで掲載します。説明を添えずに載せると、誤認を招く広告と判断されやすくなります。
写真には、次の情報をセットで添えてください。また、加工・修正した写真は虚偽広告に当たるため掲載できないという点も注意しましょう。

  • 治療内容
  • 費用(税込)
  • 主なリスクや副作用

指名・地図検索から予約につながる導線を整える

指名検索や地図検索で自院を見つけた患者さまを予約・来院につなげるには、迷わせない導線づくりが大切です。 具体的には、「見つけてもらう入口」と「予約につなげるゴール」の2段階に分けて用意することが重要です。

【入口】見つけてもらう【ゴール】予約につなげる
Googleビジネスプロフィールに診療時間・電話・地図・写真をそろえるWeb予約や電話の入り口をわかりやすく置く

歯科の広告に関するよくある質問

歯科の広告に関するよくある質問

※回答は厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」の内容を参考に作成しています。

院長・スタッフの顔写真は使える?

院長やスタッフの顔写真は、医療広告ガイドラインに反しない範囲で掲載を検討できます。医療従事者の氏名・役職・略歴は広告可能事項に含まれ、写真という表現手段も認められているため、院長やスタッフの顔写真は、その人物紹介に付随するものとして掲載できます。
ただし、患者の治療効果を示す写真(ビフォーアフター等)は別の扱いになります。

審美歯科や矯正の広告で気をつけることは?

審美目的の治療や、保険適用外の矯正治療を広告する場合は、限定解除の要件を満たす必要があります。矯正治療には保険適用となる場合もあるため、一律に自由診療とは記載しません。
治療内容・費用・リスクや副作用を、遷移先の自院サイトで示しましょう。「審美歯科」を診療科名として使えない点にも注意が必要です。

広告で「専門医」と表示できる?

専門医は、認定を受けた団体名を明記した形式でのみ表示できます。たとえば「矯正の専門医」とだけ書く形は認められません。広告可能事項の章で示した条件に沿って記載しましょう。関連する表示は、認定団体名と資格名を含め、広告可能な資格かを確認して記載することが望ましいでしょう。

ビフォーアフター写真は掲載できる?

ビフォーアフター写真は、詳しい説明を添えて限定解除の要件を満たせば掲載できます。
加工や修正をした写真は虚偽広告に当たるため使用できません。治療内容・費用・リスク・副作用を写真とセットで示しましょう。

看板を出す場合も条例などの規制対象になる?

看板は、医療広告としての内容規制と、自治体の条例の二層で規制されます。内容はガイドライン、サイズや場所は屋外広告物条例の対象です。掲載前に、両方の条件を満たしているかを確認しましょう。
設置場所の自治体の窓口に、事前に相談しておくことをおすすめします。

まとめ

歯科広告では、規制内容を確認したうえで、目的や商圏、予算に応じて媒体を選ぶことが重要です。
また、医療広告ガイドラインは違反すると指導や罰則を受けるため、広告できる内容・禁止される表現・限定解除の要件を事前に押さえてから出稿を検討しましょう。

※本記事に記載されている会社名、製品名、サービス名はそれぞれ各社の商標および登録商標です。
※本記事は医療広告ガイドラインの概要を解説するものであり、法的判断を行うものではありません。広告掲載前には厚生労働省の最新の医療広告ガイドラインおよび関係法令をご確認ください。

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